群青財団は「月島の青い船」が旧日本海軍の15m内火艇であることを確認。5月23日に動画で詳細報告

2026年5月15日
一般財団法人群青財団

一般財団法人群青財団(所在地:大阪府高槻市、理事長:堀江仁貴)は、株式会社KDCホールディングスとの協力のもと、東京都中央区月島に繋留されている「戦艦比叡の内火艇と思しき台船」(以下、本艇)について、3回にわたる調査を実施しました。

その結果、本艇が旧日本海軍の15m内火艇(内燃機関で駆動する小型艦艇の一種)であったことを考古学的・技術的に明らかにしました。

これにより、長年「月島の青い船」として地域で親しまれてきた本艇の歴史的正体が確定した意義は極めて大きいと考えられます。

 

【調査の背景】

本調査は、昨年11月に本艇が降雨により着底したとの報を受け、本艇の詳細な経歴を改めて研究し、将来的な保存を検討するための情報収集を目的として実施しました。

 

【調査方法】

本調査では、全長および全幅などの寸法の計測、3Dフォトグラメトリ撮影、GoProによる簡易水中調査を実施し、船体状況の把握に努めました。また、元所有者である金子元弘氏から本艇の来歴に関する直接証言を聴取しました。そして、艦船研究家の塚本英樹氏(NAVY YARD)による旧日本海軍15m内火艇の公式図面提供、同じく艦船研究家の瀬野有史氏からの貴重な情報提供を受け、艇の公式図面を基に調査箇所を特定・重点化して本格的な潜水調査を実施しました。

 

【調査結果】

本調査により、本艇の寸法は15m内火艇の公式図面とほぼ一致し、さらに潜水調査によって、船底の竜骨(キール)前後に艦載用の吊り下げフックが現存していることを確認しました。これにより、本艇が旧海軍で使用されていた15m内火艇であり、かつ軍艦の装載艇であることが明らかになりました。

一連の調査結果については、令和8年5月23日(土)21時から当財団職員の歴史艦ラビィが運用するYouTubeチャンネルにて「群青財団通信」として詳細報告を配信する予定です。

 

 

【動画配信URL】

https://www.youtube.com/live/Vc-af_YBirQ

 

【今後の展望】

当財団会長・原知崇および海事調査部理事・池田遼太は、中央区議会議員・青木かの氏同席のもと、中央区副区長・吉田不曇氏を訪問し、調査結果について説明を行いました。吉田副区長からは「80年以上この船が残り続けているのは、歴史がこの船を残していくべきだと伝えていると思う」とのコメントをいただき、本艇の文化的・歴史的重要性について共通認識を得ることができました。当財団は今後、本艇に関するさらなる歴史的事実の検証を進めるとともに、保存・活用に向けた方針を検討してまいります。

 

【関係者コメント】

この度の調査成果は、旧日本海軍の遺産が東京に現存していたという点で、非常に興味深い内容です。財団としては、今後も本艇に関する来歴調査、および将来的な保存の検討を進め、我が国における近代海事史の研究に貢献していく所存です。(海事調査部 理事 池田遼太)