株式会社PRIZMA
現場はデータを必要としているのに、市場調査を実施できない「3つのハードル」とは?




会議の場で、結局は「声の大きい人の意見」や「長年の勘」で重要な方針が決まってしまう。そんなシーンに心当たりはありませんか?

不確実性が高まる現代のビジネス環境において、過去の成功体験や個人の感覚だけに頼った意思決定は、組織にとって大きなリスクとなり得ます。株式会社PRIZMAの最新調査から、現場のビジネスパーソンが抱える「意思決定への強い不安」と、データを活用したくても、コストや手間の問題で調査を実施できない「理想と現実のギャップ」が浮き彫りになりました。

本レポートでは、意思決定の現場におけるリアルな課題と、それを打破するための具体的な解決策をご紹介します。

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■調査概要
調査テーマ:「セルフリサーチ」に関する調査
調査元:株式会社PRIZMA
調査期間:2025年12月26日(金)~2026年1月4日(日)
調査対象:調査回答時に企業に所属し、業務上の意思決定や市場調査に関わるビジネスパーソンと回答したモニター
調査人数:986人

1.意思決定の7割は「主観」。しかし現場の8割はそれに「不安」を感じている




日本企業の意思決定プロセスには、いまだに客観的な根拠よりも主観が優先される傾向が根強く残っていることが明らかになりました。

調査によると、約7割の企業で意思決定の半分以上が「勘」や「経験」、「声の大きさ」といった主観に依存していることがわかりました。しかし、現場の従業員はこの状況を良しとしていません。全部署を通じて約8割もの人が、感覚や経験のみの判断に対して「強い不安」や懸念を抱きながら業務を進めています。

特に注目すべきは、経営・経営企画部門において、他部署に比較して約1.5倍「非常に不安がある」と回答した割合が高かった点です。経営の舵取りに関わる部門ほど客観的な根拠の重要性を痛感しており、データに基づいた判断こそが現場の不安払拭につながると言えるのではないでしょうか。「このままで本当に大丈夫なのか?」という現場の心理的負担は、組織の推進力を奪っていると考えられます。

2.データが欲しいのに、半数は「調査できない」という理想と現実のギャップ




7割以上の層が、重要な判断に際して確かなデータや根拠を求めています。しかし、実際に「ほぼ毎回・重要な判断時」に市場調査を遂行できている割合は、わずか5割強に留まっています。つまり、全体の1割以上(11.6%)のビジネスパーソンが、「会社の命運を分けるような重要な局面」であるにもかかわらず、データを諦めて(あるいは間に合わずに)意思決定を強いられているという、非常にリスクの高い実態が浮かび上がります。

また、実際の調査頻度で「ときどき(30.8%)」が大きな割合を占めている点からは、本当は調べたいものの、コストや手間のハードルから「今回は見送ろう」という妥協が日常化している様子が伺えます。

この「調べたいが、調べられない」という数々の妥協の積み重ねこそが、結果として「声の大きい人」の意見を通しやすくしている要因に繋がっているのではないでしょうか。

3.データ取得を阻む「3つの高いハードル」とは?




なぜ、現場はデータを必要としているのに、市場調査を実施できないのでしょうか?調査を実施できていない理由として、以下の「3つのハードル」が上位に挙がりました。
- スピードの壁:「調査結果が出るまでのリードタイムの長さ(33.6%)」
- コストの壁:「調査にかかるコストが高いと感じる(33.3%)」
- スキルの壁:「調査設計ノウハウが不足している(29.7%)」

注目すべきは、これら3つの壁がわずか約5ポイントの僅差で並んでいる点です。これは、現場がどれか一つの課題に悩んでいるのではなく、「遅い・高い・やり方が分からない・手続きが面倒」という、全方位的なハードルに阻まれて身動きが取れなくなっている実態を物語っています。

また、「社内手続きの複雑さ(29.2%)」という組織のしがらみも僅差で続いており、データを得るための「前工程」だけで現場が疲弊している様子が伺えます。

「時間・コスト・ノウハウ」の壁に加え、社内手続きの煩雑さが重なることで、市場調査のハードルは上がり、結果として「調査をしたくても、面倒だから勘で進めるしかない」という現場の妥協を生んでしまっていると考えられます。裏を返せば、これらの複合的な壁をすべて取り払い、「稟議不要のコスト感で、誰でも迷わず、今すぐデータが手に入る環境」こそが、今最も市場から求められていると言えます。
まとめ
今回の調査から、多くの現場がデータに基づく判断を求めながらも、「時間・コスト・ノウハウ」の壁に阻まれ、重要局面でさえ意思決定の妥協を強いられている実態が明らかになりました。

予算や社内稟議が必要な従来の「大掛かりな市場調査」では、現代のビジネススピードに追いつけず、結果として主観に頼るリスクの高い判断を生む原因となっています。

これからの組織に求められるのは、調査を特別なイベントにするのではなく、「現場の担当者が、必要な時に、低コストですぐにデータを取得できる環境」へと変えることです。客観的なデータに基づく迅速な意思決定こそが、組織の推進力を高める鍵となります。

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