不貞行為訴訟の構図

 最高裁第2小法廷(尾島明裁判長)は5日、婚姻中に妻と肉体関係を持った男性に対し、元夫が慰謝料などを求めた訴訟の上告審判決で、離婚したと信じた男性の過失を認めて賠償を命じた二審判決を破棄し、審理を高裁に差し戻した。不貞行為に対する賠償責任を巡り「婚姻関係の破綻を信じた相当な理由があれば、過失は認められない」との初判断を示し、相当な理由があるか否かを改めて検討するよう求めた。

 不貞行為から保護すべき利益は「婚姻共同生活の平和の維持」で、既に破綻していれば原則「賠償責任を負わない」とした1996年の最高裁判決を踏まえたとみられる。

 二審高松高裁判決などによると、現在50代の元夫と40代の妻は、2023年6月ごろには会話がほぼなくなり、双方とも離婚に異論がないことをメールで確認。妻は相談相手だった勤務先の料理店代表の男性に、自らの分を記入した離婚届を見せるなどした。次第に男性宅で未明まで過ごすようになり、同11月に離婚した。

 一審は元夫の請求を棄却したが、二審は25年、男性に55万円の賠償を命令した。