AIパネル報告書ポイント

 【ニューヨーク共同】人工知能(AI)の恩恵とリスクを評価する国連の専門家パネルは1日、初の報告書を公表した。AIが科学研究や医療の向上に貢献している一方、開発速度に各国政府の対応が追い付いていないとして、AIを評価し統治する能力への投資が必要だと指摘。恩恵が米国や中国など少数の国や企業に偏っていると警鐘を鳴らした。

 パネルは急速に開発が進むAIの影響を政府や企業から独立した立場で分析する機関として、昨年8月の国連総会で設置が決まった。今回公表されたのは、来年発表する包括的報告書に向けた予備報告書との位置付け。

 「AIの潜在的恩恵は計り知れない」とし、有用な活用例として、膨大なタンパク質構造の予測による創薬やワクチン開発の加速、放射線科医による乳がんの早期発見を挙げた。

 一方、偽情報の大量生成が現実認識をゆがめ社会的結束を損なうことや、詐欺やサイバー攻撃に悪用される可能性、自律型AIが制御不能になる危険性を主なリスクとして指摘した。

 リスクを最小化し恩恵を最大化するには「適切な統治が不可欠」と強調した。