体内への薬の分布状況を360度測定できるSPECT装置=3日午前、福井県永平寺町の福井大病院

 福井大病院(福井県永平寺町)は3日、ホルモン療法が効きにくくなった前立腺がんを対象に、放射性物質「ラジオアイソトープ(RI)」を用いた治療施設を報道陣に公開した。薬剤投与後の体内への広がりを高精度に即日観測できる新装置で、今月から治療を開始する。観測結果に応じて治療継続の判断や薬の量の調節をすることができ、同様の施設は国内初という。

 男性のがんで最も多い前立腺がんは、ホルモン療法が有効な治療の一つだが、治療を続けるうちに効果が出なくなる場合がある。RI治療は、がん細胞にくっつく放射性医薬品を投与し、ピンポイントでがんを攻撃する。正常な細胞を傷つけにくく、副作用が少ない。

 公開されたのはこうした患者へのRI治療用施設で、体内への薬の分布状況を360度測定できる「単一光子放射断層撮影(SPECT)」や、被ばくを避けるために遮蔽された専用の病室など。

 従来は腫瘍マーカーで治療効果を評価してきたが、薬の集積状況までは確認できなかった。新施設では、迅速に薬の分布を把握でき、個々の病状に合わせた治療が可能になる。