佐藤愛里さんが路上で刺された現場付近を調べる警視庁の捜査員=2025年3月11日午前、東京都新宿区

 東京都新宿区の路上で昨年3月、動画配信中の女性=当時(22)=が刺殺された事件で、殺人罪などに問われた高野健一被告(44)の裁判員裁判が10日、東京地裁で開かれ、検察側が懲役20年を求刑した。弁護側は懲役9年が相当だと主張し、結審した。判決は15日。

 検察側は論告で、山手線を歩いて一周する動画を配信していた佐藤愛里さんを、1分にわたり一方的に突き刺しており「極めて残虐な犯行」と指摘。佐藤さんにも借金を返済しなかったとの一定の事情はあるものの、大きく減軽するものではないとした。

 被害者側の弁護士は、自己中心的で更生は困難だと非難した。

 弁護側は、抑止力が働きにくいなど、自閉スペクトラム症(ASD)の特性が与えた影響を考慮すべきだと主張。被告はあくまで顔を傷つけるつもりだったとし、殺害は計画的ではなく衝動的だったとした。

 起訴状などによると、昨年3月11日、動画を見て佐藤さんを待ち伏せした上、顔や腹などをナイフで突き刺し、殺害したとしている。遺体には刺し傷や切り傷が計55カ所あった。