美濃市中心部、うだつの上がる町並みに店を構える老舗アイスクリーム店「末広堂美濃アイス」(同市俵町)は無添加にこだわった素朴な味わいのアイスモナカを70年以上作り続けている。現店主の岡本弘司さん(72)の祖父の代から3代続く変わらない味は、今もシニアから小さな子どもまで幅広く愛されている。

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やさしい甘みとさわやかな後味のアイスモナカ

 創業は1954年(昭和29年)。戦時中、大阪から美濃市に疎開していた岡本さんの祖父、浩さんが、過去に食べて感動したアイスクリームを美濃の人にも食べさせたいと、「甘党の店  末廣堂」を開店した。終戦から10年が経とうとしていた当時も、砂糖は依然として高級品で、代わりに安価な人工甘味料の「チクロ」などが出回っていた。しかし大阪府内で和菓子店を営んでいた浩さんは、その味が許せず、本物の砂糖を使ったアイスの販売を決意した。

 アイスは時間をかけて材料を練る独自製法で、多くの工程が手作業。発売すると自然な甘みとさっぱりとした後味が人気を呼び、ロングセラー商品となった。
2代目店主の父康弘さんはバニラ味に加え、あずき味を開発。店舗を改装し「喫茶 パルフェ末広堂」として飲食スペースも設けたことで、地元の武義高校生らでにぎわった。

パルフェ末広堂の面影を残す、末広堂美濃アイスの現店舗=美濃市俵町、末広堂美濃アイス

 そして2012年、会社員だった弘司さんが店を継ぎ、「末広堂美濃アイス」に改称。創業当時の製法で先代の味を守りつつ、小売店や道の駅にも卸を始めた。現在は抹茶やユズ、柿などさらに味の種類を広げ、妻ちずみさん(67)と店を切り盛りしながら昔ながらの優しい味を守っている。
※末広堂美濃アイスのアイスモナカは、オンラインショップ「岐阜新聞セレクション」でご購入いただけます。

 
やさしい色の桜アイスモナカ。モナカには美濃が「うだつの上がる町並み」で知られることにちなんでうだつの模様が刻印されている。
岡本弘司さんと妻のちずみさん=美濃市俵町、末広堂美濃アイス