臨時閣議に臨む高市首相(中央)ら=5日午後、首相官邸
 高市早苗首相

 政府は5日、臨時の閣議を開き、現在8%としている飲食料品の消費税率を2027年4月から2年間に限り1%に引き下げる基本方針を決定した。1989年の消費税導入後、税率の引き下げは初めて。1%分の税収に当たる年間約6千億円を中低所得者に現金で給付することと合わせ、飲食料品にかかる消費税を「実質ゼロ」とする。

 高市早苗首相は、減税を物価高対策の目玉と位置付け、秋の臨時国会に関連法案を提出して成立を目指す。減税終了後の29年度に、所得連動の新たな給付制度を本格導入し、税や社会保険料の負担が大きい中低所得者の手取り増につなげる。

 国と地方を合わせて2年間で10兆円近い減収が見込まれる。首相は「特例公債(赤字国債)に頼らない」と強調するが、減収の穴を埋める代替財源を明確にしていない。

 レストランなどでの店内飲食は10%の税率を維持する。持ち帰りの弁当や総菜との間の税率の差が広がる。現在、中小農家は特例で消費税の納付義務が免除されるが、減税で手取りが少なくなる可能性がある。