すね毛カッターを持つ熊田征純社長。自身も短パンをはくことが多いという。
すね毛カッター。右側が「カット用」、左側が「すく用」
すね毛カッターを使ってみる筆者

 40度以上の酷暑日を記録するなど暑い夏。少しでも快適に過ごしたいですよね。「職場にも短パンで行こう」と、カミソリを作る岐阜県関市の企業がプロジェクトを始めました。カミソリメーカーがなぜ短パン推し? 背景には、ある一つの商品がありました。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

氏名や役職・部署名で検索!「岐阜の経済・人事情報 ポータル」

■「すね毛ハラスメント」

 クールビズが定着する中、あまりの暑さに短パンでの勤務を認める企業も出てきました。東京都庁でも短パンでの勤務が容認されています。

 そこで気になるのが「すね毛」。男性からは「もじゃもじゃのすね毛を見られるのが恥ずかしい」、職場からは「見たくない」「不潔」なんていう声も。「すね毛ハラスメント」という言葉も聞かれるようになりました。

 「暑くてもすね毛のせいで短パンをはけない男性がいるのなら、当社が貢献できるのでは?」。ニッケンかみそり(関市東貸上)社長の熊田征純さん(41)が思い浮かんだのは、自社で作る「すね毛カッター」です。

■毎年10万本売り上げ

 同社は約80年にわたって、刃物の町・関市でカミソリを作っています。実はカミソリの刃を作ることができる会社は、同社を含め国内には関市の4社しかありません。技術にこだわりを持っています。

 その技術力で開発した「すね毛カッター」。くし状の樹脂でカミソリを挟んだもので、刃が肌に当たらずすね毛を切ることができます。そるのではなく、切ることで自然な長さにすね毛を整えることができます。

 カットだけでなく、少しずつ量を減らすこともでき、価格は100円(税別)。100円ショップなどで販売しており、2018年の発売以来、毎年10万本を売り上げています。

■「キレイを届けたい」

 大学卒業後、大手工作機械メーカーに就職し、海外赴任もしていた熊田さん。家業の自社から離れてはじめて、自社のカミソリの良さ、こだわりが分かったといいます。

 その上で、昨年から自社のミッションを「キレイを届ける会社」としています。「切ることにこだわって技術を磨いてきましたが、ひげそり用、まゆ用、鼻毛用など当社の商品の多くは人をキレイにするもの」。すねをキレイにすることで、暑さに我慢することなく短パンをはき、快適に働くことができる人を増やしたい。「国内最高気温の日もあった岐阜県のカミソリメーカーだからこそできる社会貢献」と熊田さんは言います。

 プロジェクトに合わせ、同社はすね毛カッターのプレゼントキャンペーンを行っています。8月31日までで、同社の公式インスタグラムから応募できます。

 

■実際に使ってみた

 「すね毛カッター」を筆者が使わせてもらいました。

 多くの男性は、これまでの人生ですね毛を切ったりそったりした経験はそんなにないでしょう。私は学生時代に1回だけそりました(女装させられた)。

 少々緊張しながらカッターを肌に当ててみると、なんということでしょう。「楽しい!」。抵抗を感じることなくすね毛が切られていきます。びっくりするぐらいスムーズです。もちろん痛くありません。熊田さんは「肌に刃が当たらないように設計しています」。よく切れるかみそりを作ってきた会社だからこそ、安全へのこだわりがあるといいます。

 それにしてもよく切れます。すねがツルツルなのはちょっと恥ずかしいから、少し残しておこう。当初はそう思っていましたが、楽しくてどんどん切ってしまいました。おかげで私の両すねはツルツルです。なんだか物足りないので、両腕の毛も切ってしまいました。熊田さんによると、クリームなどは使わず、肌や毛をぬらさない状態で使うのがいいそうです。

 「清潔感を決めるのは毛です」と熊田さん。「キレイにすることで、多くの人の選択肢が広がればいいな、と思っています」。(取材・文 馬田泰州)