少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。今回は富田高校(岐阜市)の桑原聡校長(64)です。従来、就職率の高さを売りにしてきた同校ですが、桑原校長の就任を機に、進学を重視した体制への変革を図っています。そのコンセプトは「10年後に活躍できる人材の育成」。偏差値にとらわれず、生徒一人一人が社会に出た時に生かせるスキルや視点を身に付けることを目標に、企業や大学との連携を存分に活用した教育システムの構築に力を注いでいます。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

富田高校=岐阜市野一色
 富田高校 所在地は岐阜市野一色。全日制の私立高校。2026年度の入学定員は国際科30人、普通科200人、商業科105人。

 ―特色は。

 2026年度に創立120周年を迎え、岐阜県の私立高校としては2番目に長い歴史を持つ。

 長期の留学を経験して3年間で卒業できる国際科、主に進学を目指す普通科(啓明コース・普通コース)、経済や会計に関わる専門科目を学び進学にも就職にも対応した商業科の3学科2コースがあり、生徒それぞれの志望に応じた学習や進路のサポートを行っている。

 以前は就職を希望する生徒の「就職率100%」と「多様な生徒の受け入れ」が学校の輪郭となっていた。ただ、今は高校生の7割が大学・短大へ進学する時代。さらに、高卒で入った職場からの離職率の高さも指摘されている。

 そのような環境の中で、本校ももう少し大学進学にシフトした学校に変えていこうと、私が校長に就任した2年前から「トミタは進化します」をキャッチフレーズに変革を行っている。

 くわはら・さとし 県立高の校長を務めた後、母校である岐阜東高勤務を経て、2024年から現職。富山県出身。教科は生物。

 ―どのような変革か。

 コンセプトは「10年後に活躍できる人材の育成」。進学といっても偏差値を上げる教育をしているわけではない。現状、私立大学入学者の6割、国公立大学では2割が総合型選抜や推薦入試、つまり偏差値以外のスキルや視点を評価されて入学している。そういうスキルや視点を育成する学校にしなければ、大学卒業後、社会で活躍できる人間は育たないという考えの下で進めている。

 重点は大きく3つ。まずは、▷基礎学力を充実させること...