第36回柴田錬三郎賞受賞作『ハヤブサ消防団』のシリーズ第2弾『ハヤブサ消防団 森へつづく道』が発売されました。

 

近しい存在『ハヤブサ消防団』

「皆で探そまいか」「本当は行きたいんやて」「続いとったやら」など、日ごろ口にする親しみのある言葉の数々。「鶏チャン」や「ヘボ料理」などの地元料理を提供する居酒屋、そこに存在する山や川、木々等々、私たち岐阜県民にとって馴染みの深い料理や場所。

そんなふるさとを彷彿させる舞台で、主人公のミステリ作家・三馬太郎(みま・たろう)とともに、不可解な事件を追って「ハヤブサ地区」をドキドキしながら駆け回ります。
 

第1弾あらすじ

東京で活躍するミステリ作家・三馬太郎(みま・たろう)が、亡き父の故郷であるのどかな山あいの集落「ハヤブサ地区」に移住する。地元の仲間たちとの交流の中で、「ハヤブサ消防団」に半ば強制的に加入することになる。しばらく平穏にくらしていた美馬太郎だったが、地区内で火事が多発、消防団員として出動を繰り返す中、それが連続放火事件であることに気づく……。

第1弾は、文庫版でも発売中です!!
 

新刊『ハヤブサ消防団 森へつづく道』あらすじ

ミステリ作家・三馬太郎が、自然豊かな八百万(やおろず)町ハヤブサ地区に移り住んで数年がたった。地元消防団の一員としても忙しい毎日を過ごすうち、とある文学賞にノミネートされる。 最大のライバル候補は、今をときめく美貌の歴史ミステリ作家・北原未南(きたはら・みなみ)。だが、未南に不可解な疑惑が持ち上がる。

一方、八百万町では、ある若い女性が我が子を残して川から水死体で発見されていた。事件の真相を探るうち、太郎は町を揺るがす巨大な疑惑に巻き込まれて……。

シリーズ第2弾『ハヤブサ消防団 森へつづく道』の特設サイトはこちら
『ハヤブサ消防団 森へつづく道』池井戸潤|シリーズ第2弾|集英社
 

スペシャルインタビュー

新作『ハヤブサ消防団 森へつづく道』発表に際して、作家の池井戸潤さんから作品に対する思いや、岐阜の皆様へメッセージをいただきました。

■『ハヤブサ消防団』の続編を書かれたきっかけを教えて下さい。

当初、続編の予定はありませんでした。しかし前作『ハヤブサ消防団』が望外の好評を得たため、読者の皆様に続編をお届けすることにしました。
 

■消防団の描写がとてもリアルですが、取材はどのようにされたのでしょうか?

私の実家(岐阜県の山間部)の周囲で暮らす、実際に消防団経験のある友人たちに話をきいて書きました。
 

■八百万町で起きた変死事件や放火事件、町政に関わるある疑惑、さらには太郎のライバル作家・北原未南の作品に対する疑念など、今作でも複数の謎が絡まり合いながら、終盤で見事に解き明かされていきます。ミステリの筋立てや結末は最初から考えて書いているのでしょうか?

筋立ては考えませんし(いわゆるプロットのようなものは一切作りません)、結末も当然わからず、思いつくまま自由に書いています。ときに自分で作ったシチュエーションの謎が解けず、また思いがけない展開になったりします。今作でいうと、冒頭シーンの謎を解くのに最後まで苦労しました。
 

■ミステリ作家・三馬太郎が蛍文社文学新人賞にノミネートされ、選考会当日の待ち会の様子などが描写されますが、そうした文壇事情は、池井戸さんのご経験がどのように生かされているのでしょうか?

文学賞にノミネートされて落選したり受賞したりといったことについては、かなり経験があるので、文壇事情については自信を持って書いています。ですが、今作にはフィクションも含まれており、たとえば同じ居酒屋で、ふたりの候補が同時に選考結果を待つ「待ち会」をするなどということは、まずあり得ないでしょう。
 

■今回の作品『ハヤブサ消防団 森へつづく道』の見どころ、好きなシーンをお話ください。

あえていえばラストシーンでしょうか。居酒屋サンカク、消防団の団員たちとの交流シーンなども、楽しく書きました。
 

■前作では居酒屋「サンカク」で、‟鶏チャン“など地元の料理が多く出てきました。またそこへ集まる人々のなんとも言えない地元愛を感じました。そういった、地元・故郷に対する思いやエピソードなどがありましたらお聞かせください。

私にとってこの作品は個人的な記録をとどめるために書いたものです。父から伝え聞いた「近過去」の地元の話をベースに書いています。

歴史の教科書にも載っていない、残しておかないと忘れ去られてしまうようなものばかりです。そういう意味では最初の作品で、所記の目的は達成したと考えていましたが、続編を書くにあたって再考したとき、どうしても書いておかねばならないテーマが残っていることに気づきました。それは「黒歴史」といってもいいものですが、書き残すことに意味があると考えています。
 

■最後に岐阜県の皆様へメッセージをいただければと思います。

高校卒業後、ずっと岐阜を離れたままでなんの貢献もしていませんが、地元の言葉が飛び交うこの小説に親近感を覚えて読んでいただれば。
 

池井戸 潤さん近影(撮影・国府田利光)

池井戸潤 
いけいど・じゅん 作家。1963年岐阜県生まれ。1998年「果つる底なき」で江戸川乱歩賞、2011年「下町ロケット」で直木賞、「ハヤブサ消防団」で柴田錬三郎賞を受賞。主な著書に「半沢直樹」「空飛ぶタイヤ」「シャイロックの子供たち」「鉄の骨」「陸王」「民王」「七つの会議」「アキラとあきら」「ノーサイド・ゲーム」「俺たちの箱根駅伝」「ブティック」など
 

緊急リポート

『ハヤブサ消防団 森へつづく道』の発売に合わせて、第4回ぎふ長良川花火大会で、サプライズ的なドローンショーでPRを行いました。その時の模様をリポートします。

花火大会終了後の静けさが一変

それは大会終了のあの興奮が冷めやらぬ中だった。観覧客が帰ろうと腰を上げかけた時、さっきまで盛大に花火が打ちあがっていた長良川河畔の空に、突然、複数の文字が浮かび上がった。

 

ドローンショーが始まった

上空にはさっきまでの花火の煙が若干残っている。なんだろう。不思議な光だ。私たちの目には、空に浮かんでいるのではなく、何かが映し出されたように見えた。「ドローンだ!」誰かが叫ぶ。何かが始まる予感。

そして、夜空一面に「ハヤブサ消防団」の文字!

あ、これは、まさか!あの小説??  ……会場に拍手が湧いた。

 

新しい興奮と期待

場内アナウンス「ハヤブサ消防団が発売されました。」の後に、あらすじが紹介された。

会場が大きく盛り上がる。そしてドローンは「森へつづく道」を描き出す。

拍手が湧く。「第2弾なの!!」「読みたくなった!!」の声があちこちで聞かれた。

アナウンスが「皆さん。ハヤブサ消防団に会いに来てください」で締めくくると、もう1度拍手が沸き起こった。

花火の余韻が続く中、さらに新しい興奮と期待が会場いっぱいに広がった。
 

会場内では「ハヤブサ消防団」のTシャツを着たスタッフが活躍。観覧客の誘導を担当しました。
 

中濃弁ver『ハヤブサ消防団 森へつづく道』CM

「中濃弁」でCM公開中!(NA:立花慎之介)