熊本地震で被災し、再開のめどが立っていない国立病院機構熊本南病院=7月29日、熊本県宇城市(同病院提供)
 熊本地震で甚大な被害を受けた主な医療機関

 熊本地震で震度7を観測した熊本県宇城市で、少なくとも二つの医療機関が閉院と休診を決めたことが24日、分かった。損壊した拠点病院は財政的に病棟復旧が困難で、再開のめどが立っていないことも判明。県医師会は「2016年に被災した医療機関が再び被害を受け、復旧債務がさらに膨らむ事例がある」と指摘。休廃業が増えかねないとして対策を求めた。

 過去の災害でも医療機関の復旧は課題となった。国は支援を決定しており、熊本の被災地域では9割以上が業務を再開したが、一部で人口減少などによる経営難に地震が追い打ちとなった形だ。

 宇城市の狩場医院は、床や水道管が破損して再建が難しいとして、診療を8月31日に終えた。地域に根ざして70年以上で住民のみとり役も担った。内科や小児科、泌尿器科などで1日約30人を診察していた。診療報酬のマイナス改定や人口の減少で収益の悪化が続いていた。

 宇城総合クリニックは建物の基礎となる柱がひび割れて9月末をもって休診する。1日の外来数は約50人。CT検査などの機器も壊れ再開の見通しは立たない。