【ハーグ共同】幼少期に差別や偏見を目にした絶望を力に変え、弱者に寄り添ってきた。「政府は市民運動を抑圧してはならない」。13日に共同通信と単独会見したピレイ元国連人権高等弁務官(85)は、記者を見据えて国際法や人権を巡る危機を鋭い口調で訴えた。半生を回顧し「私は英雄ではなく感情のある人間。長い道のりだった」と笑顔も見せた。
ピレイ氏は特任裁判官を務めるオランダ西部ハーグの国際司法裁判所(ICJ)にある執務室で取材に応じた。9日のノーベル平和賞受賞決定以降、かつて裁判官を務めた国際刑事裁判所(ICC)への訪問や報道対応などで多忙な日々が続くが、疲れたそぶりは見せなかった。
南アフリカ東部ダーバン出身。祖父母はインドから南アに渡った。アパルトヘイト(人種隔離)下で送った幼少期に差別を目の当たりにして育ち、「私たちは無力だった」と実感。逆境を乗り越え、弁護士として南アの反アパルトヘイト活動家の擁護に携わった。
インタビューの終盤では「6歳のころ、こういう人生を歩むなんて予想もしていなかった」と目を細めた。







