─ 撮影地域滞在・密着型の映画制作企画『祭の話』 ─

2026年11月2日(月)
経済産業省

 経済産業省が取り組む「福島浜通り映像・芸術文化プロジェクト」の一環として、「福島県浜通りで撮りたい映画」をテーマに、ジャンル不問で映画の企画を公募する「FFF Award 2026(FFF=Fukushima Film Frontier) 」の最終プレゼンテーション審査会「FFF Award 2026 ─ FINALIST PRESENTATIONS ─」が、2026年10月31日(土)に東京国際映画祭の場で開催されました。

 

グランプリ受賞者と審査員

 

 

FFFアワード2026 会場全体の様子

 

 

FFF Award を継続して開催する意義

経済産業省 福島芸術文化推進室 石井 雄大(いしい ゆうだい)

 

 

 本アワードの開会にあたり、経済産業省福島芸術文化推進室の石井が挨拶。2022年7月に同省内の若手有志を募り「福島浜通り映像・芸術文化プロジェクト」を立ち上げた経緯を説明するとともに、自身の福島との関わり合いや復興に関心をもったきっかけなどのエピソードを紹介。2024年から同プロジェクトに参画し、福島とより深く関わるようになってからは、文化や暮らし、自然や食など、それまで自分の「Frame」には入っていなかった福島の姿に何度も出会い、震災や復興という視点だけでは、浜通りの姿は捉えきれないことに触れ、映像を通して、多様な視点で、多様な福島浜通りを伝え続けるこのプロジェクトの継続意義を強調し、最後に今回選ばれた5組の企画から、また新たな視点と気づきを得たいと期待を寄せました。



FFFアワード実行委員会 実行委員長

一般社団法人 相双フィルムコミッション 代表 根本李安奈(ねもと りあな)

 

 

 

 続いて、本アワードの主催・実行委員長である、一般社団法人相双フィルムコミッション・根本氏が登壇。本年度は137件のエントリー、最終的に84件の企画が寄せられたことを発表し、多くの企画を寄せていただいたこと、また浜通りで映画をつくろうとする大勢の方の熱意に対し、感謝の意を表明しました。さらに作品選考の過程で印象に残った点として、この地域を描く視点の広がりについて述べ、震災そのものを主題として扱うのではなく、その歴史や経験とともにある人々の暮らしを丁寧に見つめてくださっている――そこに、この地域への理解と、表現の深まりを感じている、と2年目の手応えを示しました。最後に、毎年一本ずつ映画が生まれ、それを10年続ければ、10本の作品にそれぞれの年の浜通りが残っていくと説明し、将来、この時代や社会を振り返るうえでも、貴重な記録になる意義を語りました。

 

5組のファイナリストによるプレゼンテーションと審査員からの講評



 今回の84件の企画の中から見事ファイナリストに選ばれた5組が、審査員に向けて企画趣旨や制作に向けた想いをプレゼンテーション。それぞれの視点や感性から捉えた、“過去・現在・未来の福島浜通り”が熱く語られました。

 

 最終審査員には、映画監督・犬童一心氏、映画プロデューサー・小川真司氏、映画プロデューサー・山本晃久氏、脚本家・田中幸子氏の4名が登壇。日本の映画界を牽引するトップランナーにより、審査とグランプリの選出が行われました。

 

 

▼ファイナリスト企画作品一覧 ※発表順・敬称略

 

 

企画作品名

所属

応募者名

1

ぜんぶ うまくいく

株式会社ベーシックシネマ

板橋基之

2

夜の海は飼えない

TBSスパークル

鹿野洋平

3

ホラ吹きの翼

フリーランス/立教大学

寺岡慎一郎

 

4

 

吉池伸子のどんつき人生

企画・脚本・監督・プロデューサー

節田朋一郎

企画協力

千葉 貴志

 

5

 

祭の話

 

株式会社CHIBRO

たかはしそうた

村上知穂

 

『祭の話』がグランプリ受賞

 


 

 

 84件の企画、そしてファイナリストの5つの企画の中からグランプリに輝いたのは、土地性を重視した映画撮影と脚本制作を得意とする、たかはしそうた監督の企画『祭の話』(ドラマ・コメディ、30分程度を想定)。冠婚葬祭という人間の喜怒哀楽が詰まった出来事を描く連作短編の一篇として、「祭」を題材に、お盆に帰省した兄妹と家業のクリーニング店をめぐる小話を、現地の生活者との対話を通して丁寧に描くことを想定。プレゼンテーション当日も別の映画製作の最中で、滞在中のセルビアからオンライン中継で発表しました。監督は過去作『上飯田の話』などでも撮影地に半年以上通い、そこに暮らす人々との対話から物語を生み出してきました。今回も撮影地域に実際に足を運び、地域で暮らす方々と直接対話を重ねながら脚本をブラッシュアップすることで、福島・浜通りのその時でしか撮れない、手触り感のある映画の実現を目指していきたいと語りました。制作は2027年10月末の完成を予定しています。

 

審査員長 犬童監督から結果発表 「新しい試みとして、可能性を託した」

 

 

 審査員を代表して犬童監督は、企画の魅力に加え、予算や制作体制、完成までの見通しも含めて総合的に検討し、『祭の話』が選出されたと語りました。また、たかはし監督の『祭の話』は、アーティスト・イン・レジデンスの形で映画をつくる試みであり、浜通りにおける映画制作ではこれまでほとんど例がないことから、一回やってみたらどうかと、その新たな試みに可能性を託したことを説明。「できればすごくいい映画をつくってほしい」と、作品の完成に期待を寄せました。

 

※本アワードの様子は、東京国際映画祭 公式YouTubeチャンネルにて、アーカイブ配信を行っております。

「FFF Award 2026 – FINALIST PRESENTATIONS -」アーカイブ映像:

https://www.youtube.com/live/WaTELSSPOGI?si=c3C-5I7FJM4pOUsw

 

福島浜通り映像・芸術文化プロジェクトについて

 

経済産業省では、浜通り地域等の復興に向けた取組の一環として、芸術や文化を通じた地域の新たな魅力の発見・創出・発信などを目的とし、若手の有志職員を中心に「福島浜通り映像・芸術文化プロジェクト」を2022年7月に立ち上げ、魅力あるまちづくりに向けた取組を推進してきました。

 

今年度においては、芸術家や学生の滞在制作の支援、地元事業者等の芸術を活用した関係人口拡大に資する取組支援(イベントの開催支援など)や、東京国際映画祭との連携、フィルムコミッションの活動支援、浜通りでの本事業のPRにつながる広報映像制作・発信等を実施しております。

 

<ハマカルアートプロジェクト> https://hamacul-project.com/

<ハマコネ(HAMA CONNECTED)> https://hamado-ri.com/

 

 


 

太平洋に面した福島・浜通り。ここは、震災と原発事故からの再生と創造の最前線。長い歴史、豊かな自然、新しい挑戦、すべてが重なり合いながら、新たな文化が芽吹いています。

 

「FFF Award 2026」は、いま、映画づくりの新しい可能性が広がり、映画制作関係者たちからも熱い注目を集めているこの地域を舞台に、【福島県浜通りで撮りたい映画】をテーマにしてどなたでも応募できる、ジャンル不問の映画の企画コンペティションです。

 

すべての応募に対して日本映画界のトップランナーが審査をおこない、グランプリ受賞作に対しては賞金100万円(使途は本企画の制作費)が授与されるほか、実行委員会が中心となり制作をサポートします。映画の完成後は大手動画配信サービスでの配信や地上波放送(福島県エリア)を実施し、また、東京国際映画祭をはじめとした映画祭での上映も狙います。

 

◆「FFF Award 2026」公式サイト:https://fffaward.com/