岐阜新聞Web

  • 美濃
  • 飛騨
  • 美濃
  • 飛騨


「普通の土手」と侮るなかれ 地学ロマンあふれる根尾谷断層(岐阜・本巣市) 



  • 濃尾地震で地表に現れた根尾谷断層の垂直崖=本巣市根尾水鳥 
  • 根尾産菊花石を展示販売している「根尾谷一石庵」=同市根尾板所 
  • 菊花石のカッサ 

 岐阜県本巣市の山間に位置する根尾谷には、県内に3件ある国指定特別天然記念物のうち2件が存在する。1891(明治24)年10月28日に根尾谷を震央に起きた国内最大級の直下型地震「濃尾大地震」で出現した「根尾谷断層」と、キクの花のような模様がある鑑賞石「根尾谷の菊花石」(地域指定)。どちらも地球規模で地殻が動く「プレート活動」の結果、根尾谷に現れた地質学的に貴重な天然記念物だ。

 根尾谷断層は、根尾水鳥地区の地表に出現した高さ6メートル、長さ1キロに及ぶ垂直断層崖(がい)。地震の原因を断層の動きで説明する地震学研究のきっかけになったといわれている。県道255号が横切る形で北西から南東方向に延びているが、一見すると草が茂る"普通の土手"。県道沿いに案内板と石碑が立つ。

 断層の内部を詳しく知るなら、実際の断面を保存展示している「根尾谷地震断層観察館」がお薦め。地下に埋もれた部分も見ることができ、地震の爪痕がはっきり分かるほか、2億5千万年前に遠く離れた赤道直下の海底で生まれ、プレート活動で移動・形成された根尾谷の大地の今昔を知ることができる。観察館から徒歩5分ほどの高台にある展望台からの眺めもいい。地震資料館や地震体験館を併設する。

 根尾谷の菊花石は、緑色岩の母岩に放射状の炭酸カルシウムの"花"が入り、形状や色合いが多彩で美しいことから鑑賞石の最高峰とされ、海外でも人気がある。指定地域外では菊花石が拾える場所もある。「菊花石は海抜700~800メートルの地層から見つかることが多い」と、根尾公民館の三本木隆館長。

 菊花石は、淡墨公園の一角にある「さくら資料館」にあるのだが、今は休館期。見たい人は、菊花石販売の「根尾谷一石庵」を訪れてみてはいかが。根尾産の菊花石が多数並んでおり、手で触れることができるものもある。

 オーナーの石川隆直さんは「菊花石は天然のもので、すべて一点もの。愛(め)でるだけでない菊花石の魅力も発信していきたい」と話し、菊花石のマッサージ用品(カッサ)を考案。地元の病院などで販売を始め、海外からも問い合わせがあるそうだ。

【案内】根尾谷地震断層観察館 住所=本巣市根尾水鳥512。交通=大垣駅から樽見鉄道で「水鳥」駅下車、徒歩5分。休館=月曜日(9月30日まで臨時休館)。問い合わせ=電話0581(38)3560。根尾谷一石庵 住所=本巣市根尾板所477―1。営業=年中無休(臨時休業あり)。問い合わせ=携帯電話090(6611)5374。

カテゴリ: おでかけ くらし・文化