新聞を読んで、紙面構成の工夫を見つける生徒ら=安八郡輪之内町四郷、輪之内中学校
多目的室で掲示されている「いっしょに読もう!新聞コンクール」への応募作品=同

 「大きい見出しは目に飛び込んでくる」「一文が短くて分かりやすい」。安八郡輪之内町四郷の輪之内中学校(三輪弘文校長)で行われた国語科の授業。生徒たちは新聞を読んで、読者に伝わりやすい紙面構成の特徴を学び、学校行事を題材にした個人新聞作りなどに取り組んでいる。

 1年生109人は、新聞2紙を見比べて、取り上げるニュースや見出しの違いなどを学習。さらに、分かりやすい紙面作りとして、見出しの付け方、記事を枠で仕切るレイアウト、説明文付きの写真といった工夫を見つけ、体育祭をテーマにした新聞作りに励んだ。

 鈴木咲真(しょうま)さん(12)は「見出しは大きさや字体を変えて目立たせている。読む人がテーマについてよく分かる新聞を作りたい」としたほか、新聞を読んでさまざまな情報を知ることで、自らの考えが湧いてきたといい、「投稿欄への投稿にも挑戦してみたい」と意欲的だ。

 森島莉央さん(12)は「新聞から学んだ読者に伝える工夫を、新聞作りだけでなく、ほかの文章を書くときにも生かしたい」と話す。

 担当する山川智子教諭は「各紙の違いや工夫を見つけることを通して新聞をじっくり読み、ニュースや話題のほか、コラムの面白さまで感じられるようになれば」と期待する。

 2年生90人は、夏休みの宿題として日本新聞協会主催の「いっしょに読もう!新聞コンクール」に参加した。同コンクールは、選んだ記事の感想を書くとともに、家族や友人から聞いた意見もまとめて応募する。同校では、同校PTAが独自に審査して受賞作を選び、多目的室などで展示している。

 PTA会長賞に選ばれた加藤旺芽(おうが)さん(13)は、父親と県内で多発する交通死亡事故に関する記事について書き、「交通事故は人の命を奪い、多くの人を悲しませる。自転車通学をしているので、ゆとりを持って運転し、交通事故を防ぎたい」と自身の生活に根差した考えを持った。

 校長賞の髙橋陽菜詩(ひなた)さん(14)は、スマートフォン依存やゲーム障害に関する記事について母親と話し合い、これらの防止には周囲の協力も必要だと認識。「『スマホやゲーム機を自室へは持ち込まない』と自分で決めたルールを守っていく」とした。

 3年生101人は、修学旅行、体育祭などをテーマに個人新聞を制作。仲間の良さを見つけるきっかけとなって自身も成長し、まとまりのある学級に発展していくという。

 同校の教育目標は「ひとりだちのできる生徒~自ら考え、正しく判断して主体的に行動する生徒」。山本学教頭は「新聞は読み返すことができ、生徒が情報を整理して思考を深めることに役立つ」と教育における新聞の役割を語る。