沿線住民、JR東海社員、鉄道ファン…みんなが待っていた
そんなことを考えながら車窓の風景を眺めていると、あることに気づく。行きのキハ85系では見られなかった光景が、HC85系では見えるのだ。もちろん、自然景観が一日にして変わることはない。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」そう、沿線の人たちの姿だ。田んぼ道に車を止めてスマホを向けるおじさん。家の庭先で列車の通過を眺める小学生。駅にも多くの人、人。鵜沼駅では、半袖半ズボンの幼い子がおばあちゃんと一緒にスマホで写真撮影。停車すると、おばあちゃんの手を引いて列車の先頭に向かって走り出した。岐阜駅に降りると、ここもホームは子ども、子ども。〝本職〟の鉄道ファンだけでなく、沿線の人たちも新しい「ひだ」の車両を見ようと、駆け付けてきたのだ。
みんな待ち望んでいたのだろう。そして、この新型車両に乗ってたくさんの人が県内を訪れてくれることを楽しみにしているのだろう。そういえば、運輸区や車両区(車両基地)が近くにある美濃太田駅では、JR東海の社員がホームに並び、旗を振って歓迎してくれた。ノリのいい人なのだろう、両手を挙げて一生懸命、手を振っている人もいた。自然と笑顔になり、記者も手を振り返していた。
そして思った。九州新幹線の全線開業の時と同じ光景だ、と。もちろん、旧式のキハ85系も約30年前のデビューの時、同じように歓迎されたのだろう。そして長年、国内外の多くの旅行者を県内観光地に運んできた。キハ85系も引退の時は、沿線から手を振って感謝を告げたいと思う。
新しい特急車両が無事にデビューした高山線。新型車両といえば、次は中央線の特急「しなの」だ。リニア中央新幹線の停車駅が置かれる中津川を通る「しなの」。新型車両がリニアと同時デビューとなれば、さらに胸熱だ。
瀬戸覚旨(せと・さとし) 地理・地図帳の教科書出版社、新幹線の経済誌などを経て、2014年12月中途入社。西濃支社、中津川支局、生活文化部、現在は本社報道部。埼玉県出身。浦和レッズの熱狂的サポーター。






