岐阜市で暮らした当時のエピソードなどを語る米澤穂信さん=岐阜市司町、みんなの森ぎふメディアコスモス

 歴史ミステリー「黒牢城(こくろうじょう)」で直木賞を受賞した岐阜県高山市出身の作家・米澤穂信さん(44)が、岐阜市司町のみんなの森ぎふメディアコスモスで講演した。「岐阜市で暮らした2、3年は読書経験を積み重ねた黄金期」と語り、作家として成長するための貴重な時間だったと振り返った。

 米澤さんは2001年に「氷菓」でデビュー後、高山市から岐阜市に移り住んだ。岐阜市にいた期間について「小説家として次の仕事が入らず、就職活動にも気合が乗らなかった頃。時間はあったので家の近くの県図書館で本を借りまくって読みまくった。書店でもたくさん買った」と話した。

 また“青年・米澤”のエピソードとして、岐阜市尻毛、茜部、鏡島にあったお気に入りのラーメン店をミニバイクで巡ったことや、大学入学資格検定(大検)の試験監督や選挙の出口調査のアルバイトをした思い出を紹介した。

 小説を書くことの心構えについては「常に人間や世の中に興味を持ち、『何も変わらない』という冷笑的な態度を排し、『何か面白いことや違ったことがあるのでは』と探す目を持つこと」と語りかけた。

 講演会は、同施設開館7周年記念のイベント。110人が来場したほかオンラインでも視聴があった。