米澤穂信さん

 第166回直木賞を米澤穂信(ほのぶ)さん=岐阜県高山市出身=が「黒牢城(こくろうじょう)」で受賞した。19日夜に東京都内のホテルで行われた記者会見ではミステリーや出身の飛騨への思いを語り、「大変光栄に思います。こうして一つの結果をいただいて、投げた石が一つ大きな池をつくったのかなと思います」と喜んだ。

 スーツ姿の米澤さんは一礼して登壇。緊張した面持ちで受賞作を手にし、報道陣の記念撮影に応じた。

 受賞作は戦国時代を背景としたミステリー小説。「ミステリーは私にとって非常に大きな軸足。軸足があったからこそ、自分の小説を書いてこられた。これからも大事にしていく」と力強く語った。

 今後どのような作品を書きたいかとの質問には「いろいろ書きたいことは胸の中にありますが、次にどれが浮かび上がってくるか、自分でもコントロールできない。不安半分、楽しみ半分」と丁寧に回答。出身地の飛騨が作家活動に及ぼした影響について尋ねられると、しばらく考え「飛騨は江戸時代に幕府領だった。自分が生まれ育った場所のことをもっと知りたいというふうに調べた経験が、自分が小説を書くための最も基礎的な姿勢になっているかもしれない」と思いを巡らせた。

 インターネット上で「よねぽ」の愛称で親しまれている米澤さん。今後も愛称で呼んでもいいかとの質問に「そのように呼んでいただいても大変うれしく思います」と笑顔で応じた。