発熱した子どもを診察する福富悌院長=1日午後、岐阜市安食、福富医院

 収束の出口が見えない新型コロナウイルス感染拡大の「第7波」。第7波では若年層、とりわけ子どもが感染するケースが増え、別の小児感染症の流行も相まって小児医療の現場は逼迫(ひっぱく)している。小児科医は「子どもにもできる限りワクチンの接種をお願いしたい」と呼びかける。

 「時間外にもかかわらず診ていただきありがとうございます」。岐阜市安食の福富医院。午後7時の診療時間を過ぎても、保護者に付き添われた子どもたちの姿が後を絶たない。コロナの疑いがある発熱患者は、駐車場の車内から電話でスタッフとやりとりし、専用の診察室で検査を受けていた。

 同医院では、7月に入って発熱患者が急増。コロナ陽性率は5割を超え、特に園児や小中学生の陽性者が増えたという。小児科医の福富悌院長は「7月初めから保育園や学校で感染したとみられる子どもが一気に増えた」と語る。

 コロナの波に加え、乳幼児が感染しやすく高熱が出るRSウイルス、手や足に水疱(すいほう)ができる手足口病、胃腸風邪も流行。7月には約30人の病院スタッフのうち4人が濃厚接触者になるなどして休んだ時期もあり、8月に入っても一般診療への影響が出ないよう気を張り詰めて診察に当たっている。福富院長は「点滴が必要な患者も増えており、スタッフの人繰りが大変」と頭を抱える。

 県内の12~19歳のワクチン3回目の接種率は38・1%(1日現在)と、20代の52・2%と比較しても圧倒的に低い。

 福富院長は「親がワクチンの副反応でつらい経験をしたため、『子どもに同じ思いをさせたくない』とあえて接種させないという声をよく聞く」と指摘する。

 3年ぶりに行動制限のないお盆の時期を控え、帰省や旅行など人の移動が増えることが予想される。同医院では第7波の前に抗原検査キット500人分を確保していたが、現在は100人分ほどが残るのみで、キットが底を突くと来院した患者がコロナかどうか判別できない事態も懸念される。福富院長は「少なくとも8月いっぱいは今の感染状況が続くだろう」とため息を漏らす。

◆「10代以下」が25% 岐阜県内の新規感染者

 岐阜県内の新型コロナウイルス感染者のうち、若年層の感染が多い状況が続いている。3日の新規感染者3464人のうち10代は445人、10歳未満は415人で、10代以下で計24.8%を占めた。

 県健康福祉部によると、夏休みに入った影響もあり、30代や40代の割合が増加傾向にあるものの、10代や10歳未満の感染者数が多い状況は変わっていない。

 3日の感染者のうち最も多いのは40代の578人で、次いで30代の543人だった。10代や20代を含む40代以下は約7割を占めた。