北米・南米へ魅力配信 郡上おどり講座
テレビ会議システムも世界の郡上おどりファンをつなげた。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」米国東部のバージニア州に家族と住む下崎典子さん(49)=各務原市出身=は2020年夏、郡上おどり好きが高じ、「バーチャル盆踊り」をテレビ会議システムを使って開いた。
岐阜県出身のボーカリスト上村美保子さんらによる2人組ユニット「モモナシ」が郡上おどりの10曲を解説する内容で、北米や南米向けに配信。約100人が受講したという。
両親の影響で郡上おどりが好きになった。徹夜おどりで「かわさき」を踊りながら迎える朝焼けの美しさが忘れられないという。新型コロナでどこにも行けない中、初めてオンラインで郡上おどりを企画。途中で配信が切れてしまうミスもあったが「皆さんの協力でコロナ禍の思い出となった」と話す。今は自宅で郡上おどりの動画を見ながら、踊っているという。
受け入れられたワケは「ともに楽しむ」精神
郡上おどりの精神性が世界に受け入れられた要因と考える人もいる。
郡上市出身でカナダ・トロントに住む棚橋則之さんは、2008年の日加修好80周年を記念して開催された「郡上おどりinトロント」に協力。棚橋さんによると、トロントの一部の高校や大学では今でも郡上おどりを踊り続けているという。
「郡上おどりinトロント」で踊る人たち=2008年、カナダ・トロント(棚橋則之さん提供)
「郡上おどりがカナダで受け入れられる理由のひとつには、カナダという国における平等の意識が、人々の中にあることが挙げられる」と棚橋さん。
「郡上おどりの身分の隔てもなく誰もが共に踊った、という伝統のスタイルが、『見せる』ことを主においた従来の日本の文化の紹介から『ともに楽しんで』日本文化を理解する形として受け入れられた」と指摘。
さらに「このカナダの民族や格差の隔りをなくそうとする人々の意識にうまく合致した。踊りの上手下手は関係なく、演じる側と見る側の隔てもない、特別な衣装はいらず、誰でも参加できて、その垣根となるものはない」とする。
郡上おどりは江戸時代、藩内の融和を図るために身分の隔てなく無礼講で踊ってよい、と奨励され、盛んになったという。平等を重視する精神が世界で共感を得ていると棚橋さんは考える。
再び踊りの輪が広がる事を願って
国内では東京や京都でも例年イベントが開かれてきたが、新型コロナの影響が出ている。
京都市では京都岐阜県人会などによる実行委員会が08年に郡上おどりのイベントを始めた。地下広場などが会場で、県人会事務局長の岩田篤さん(羽島市出身)によると、たまたま通りかかって参加したことがきっかけで郡上おどりにはまり、毎年郡上に行くようになった人も多いという。
地下街で開かれた「郡上おどりin京都」=2018年6月、京都市(京都岐阜県人会提供)
19年までほぼ毎年開いてきたが、その後は新型コロナのため中断。岩田さんは「十分な活動ができないこの3年の間に退会者も出るなど、担い手不足が顕著になってきている」と懸念する。
京都の県人会にはもともと郡上出身者が多く、郡上おどりの楽しさを京都の人々にも広く知ってもらおうと始まったという。
岩田さんは「このイベントをきっかけに郡上とつながりを持ったという人や、中止が続いても毎年開催を楽しみにしてくれる人も多い。なんとかこれからも長く続くイベントにしていければ」と意気込む。来年の再開を目指している。







