郡上おどりが世界各地で楽しまれている。それぞれの国や地域に住む岐阜県人らが中心となって、踊りの輪を広げている。シンプルな振り、特別な衣装も不要という郡上おどりの気軽さが世界で受け入れられる要因のようだ。郡上おどりの精神が共感を得ていると考える人もいる。

夕焼け染まるNY、響くおはやし

 6月中旬、米国・ニューヨーク。ガバナーズ島という小さな島に人々が集まり、郡上おどりを楽しんだ。夕焼けに染まる海の向こうには自由の女神像やマンハッタンの夜景。幻想的な雰囲気の中、郡上おどりのおはやしが響いた。

自由の女神を遠くに眺めながら郡上おどりを楽しむ人たち=6月中旬、ニューヨーク・ガバナーズ島(高橋愛一郎さん提供)

 日本の伝統芸能を紹介する米国の非営利団体「ジャパン・パフォーミング・アーツ・インク(浜田裕子代表)」が、「日本三大盆踊りフェスティバル」として開いた。郡上おどりのほか、徳島県の「阿波おどり」と秋田県の「西馬音内盆踊り」を紹介した。

 フェスティバルは2019年に始まった。浜田さんによると、その場で一緒に踊る事ができる郡上おどりは大変人気で、「とても楽しかった」という声が上がったという。

 ニューヨーク岐阜県人会の高橋愛一郎会長は「フランクなアメリカ人の観客は踊りの輪に誘うと喜んで参加し、楽しんで踊ってくれた」と振り返る。「郡上踊りが、気軽に踊って楽しめるものとして海外でも普及し、本場の徹夜踊りを体験してみたいと郡上を訪れる観光客が増えることを願っている」とコメントした。
 

ブラジルでも紹介 定番「ダンシングヒーロー」も披露

 7月中旬、ブラジル・サンパウロ。3年ぶりに開かれた日本文化を紹介する「フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭り)」の会場で、ブラジル岐阜県人会のメンバーが郡上おどりを踊った。最後には県内の盆踊りの定番「ダンシングヒーロー」も披露した。

サンパウロの日本祭りで郡上おどりを披露するブラジル岐阜県人会メンバーら=7月、ブラジル・サンパウロ(同県人会提供)

 県人会は郡上おどりを積極的にブラジルで紹介している。日本祭りや、ブラジル最大の歩行者天国と言われるサンパウロのパウリスタ大通りで披露したこともある。

 

 日本祭りで県人会は岐阜の郷土料理、五平餅やけいちゃんを屋台で提供した。ブラジル県人会の長屋充良会長は「岐阜の誇る伝統文化を世界の人々にも知ってほしい、海外に住むわれわれの子ども、孫へとつないでいってほしいという、アピールと伝統文化の継承を目的にしている。母県への恩返しになればとも頑張っている」と話す。