2022年9月26日掲載

従業員の健康で企業の価値向上を

 従業員の健康維持・増進に取り組むことで、企業の生産性や価値の向上、イメージアップにつなげる「健康経営」に取り組む中小企業が増えてきています。岐阜新聞社では、岐阜県や岐阜労働局、岐阜県商工会議所連合会、全国健康保険協会(協会けんぽ)岐阜県支部などと協力して「ぎふ健康づくり応援プロジェクト~健康経営のすすめ~」を今年も展開していきます。岐阜県健康福祉部保健医療課長の井上玲子氏に、本県の健康課題や改善策、健康経営の重要性などについて聞きました。

岐阜県健康福祉部
保健医療課長

井上 玲子

「健康経営宣言」から始めよう

岐阜県民の健康課題は?

 特定健康診査のデータによると、岐阜県は全国と比べてメタボリックシンドロームの該当者の割合は少ないですが、年々増加しているのが現状です。また、収縮期血圧(最高血圧)が高い人(140㎜Hg以上)の割合は全国を上回っています。(図①)一般的にこれらに該当する人の割合は加齢に伴って増えていきます。そのため県では、比較的若い世代の方が健康に関心を持ち、健康づくりに取り組んでいただくことで、将来的な健康リスクの低減を図ることを目指しています。

 働き盛り世代を主なターゲットとした健康づくりの取り組みのひとつが「清流の国ぎふ健康経営推進事業」です。他にも、個人の自主的な健康づくりにインセンティブを提供する「清流の国ぎふ健康・スポーツポイント事業」では、今年度新たにスマートフォンのアプリを導入して若い方の参加を促しています。

健康経営推進の現状と取り組みは?

 従業員の特定健診の受診や特定保健指導の実施の推進のほか、社内での健康づくりの啓発、社員食堂等での野菜摂取の推進、従業員への運動機会の提供など、従業員の健康づくりに積極的に取り組むことを宣言した企業を「清流の国ぎふ健康経営宣言企業」として県で登録し、ホームページで公開しています。現在573社に登録していただいています(9月8日現在)。

健康経営に関する支援策やインセンティブは?

 企業の健康づくり活動の中心となっていただく「ぎふ企業健康リーダー」に対する研修をはじめ、定期的な健康情報の提供、職種に応じた運動教室の開催などの支援を行っています。

 また令和元年度から、特に優れた取り組みを行っている企業を「健康経営優良企業」として表彰しています。これまでに13社表彰しており、昨年度は、健康管理アプリの導入による運動習慣の定着やオンラインを活用したメンタルヘルスケアの取り組み、子どもと一緒に参加できる食育研修の開催、昼食時間を利用した社員同士のコミュニケーション促進や健康に関する情報共有などに取り組んだ企業を表彰しました。これらの優良企業の取り組みは、冊子やホームページ上の動画で紹介していますので、他の企業の方にもぜひご覧いただきたいです。

健康経営の重要性は?

 従業員がいつまでも健康で長く活躍できるということは、従業員の活力や生産性の向上などに繋がり、結果的に企業にとっても離職率の低下や多様な人材の確保、業績の拡大などのメリットがあると考えられます。仕事が忙しくてなかなか自分の健康に目を向けることができない方には、企業が健康づくりに取り組みやすい環境を整備することも大切だと思います。

「清流の国ぎふ健康経営宣言企業」の登録をしたいときはこちらから
https://www.pref.gifu.lg.jp/page/18488.html
 


わたしたちは、ぎふ健康づくり応援プロジェクトに参画しています