父親役で出演した山田太一さん。手にしているのは撮影で使ったカチンコ=関市武芸川町

 岐阜県関市で撮影されたモノクロ映画「コントラKONTORA」が、15日から県内の映画館で上映される。自身の古里である同市武芸川町でのロケ撮影を提案し、自ら出演した俳優の山田太一さん(54)は「見る人によっていろんな色が見えてくる映画。岐阜の人たちにぜひ見てほしい」とアピールしている。

かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」

 脚本・監督を務めたのはインド出身のアンシュル・チョウハンさん。山田さんとは前作の「東京不穏詩」に出演した縁で仲良くなった。次作のロケ地を探していたチョウハンさんを実家のある武芸川町に案内したところ、自然の美しい風景が気に入ったという。

 映画の設定は祖父が急死して高校生の娘と父親の2人だけになった家族。娘と父親の確執と絆が一つのテーマで、山田さんは父親役を演じた。

 撮影は2018年12月に山田さんの実家にスタッフ10人ほどが寝泊まりしながら行われた。工場などのシーンは地元の企業が場所を提供した。「友人や知人がエキストラで出演してくれた。制服などの衣装も貸してもらい、スタッフの食事や入浴も世話になった。みんなのサポートがありがたかった」と振り返る。

 物語は戦争体験がつづられた祖父の日記を主人公のソラが手にするところから始まる。日記には山に何かを埋めたくだりがあり、埋蔵品を探索するソラ。さらに、どこからともなく現れた「後ろ向きにしか進めないホームレスの男」。謎めいた男との予測不能な展開が、武芸川町の山河を背景に撮影された。

 「出来上がってみるとモノクロで良かった。与えられた色よりも見る人の主観で色が見えてくる」と話す山田さん。作品はエストニアで19年に開催された「タリン・ブラックナイト映画祭」のコンペティション部門でグランプリと最優秀音楽賞を獲得した。

 東京で3月に封切り。岐阜新聞映画部の企画として岐阜市日ノ出町のシネックスで5月15~20日に上映される。