名古屋鉄道・加納駅とその硬券入場券。名鉄岐阜駅で購入できる=岐阜市竜田町
10月14日から販売が始まった名古屋鉄道の硬券入場券。茶所駅は買わなかったが、いずれ加納駅と茶所駅は高架化で貴重な入場券になるかもしれない
JR岐阜駅のベルマートキヨスクで調達した鉄道ペットボトルカバーとサンドおむすび
上野―大宮間を結んだ新幹線リレー号のペットボトルカバー。JR東海エリアでは珍しい

 日本の鉄道開業から14日で、150年を迎えた。1872(明治5)年10月14日に東京・新橋―横浜間が開通してから1世紀半。東海地方でもJR東海や名古屋鉄道などが記念キャンペーンを行っており、岐阜県内でもそれらの記念グッズが手に入る。鉄道の恩恵を受けてきた記者もその歴史を振り返りつつ、いまだけの記念グッズを求めて駅をはしごした。

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 開業日の10月14日を「鉄道の日」とし、秋空の下、毎年各地でイベントが開かれ、連続3日間の「秋の乗り放題パス」で鉄道旅に出かけるのが、この時季ならでは楽しみ方。今年は150年の節目でもあり、特に旧国鉄のJRグループを中心に、この日に向けて年度始めから徐々に盛り上がりを見せていた。

 東海地方では、名鉄が14日から、名鉄272駅(豊橋、赤池、弥富を除く)の昔懐かしい硬券入場券を発売。今回は、特別に無人駅の硬券も用意し、駅員のいる駅ごとに周辺の無人駅のものも含めて扱っている。例えば、名鉄岐阜駅では加納駅など近隣駅の入場券も購入できる。来年3月31日まで。

 JR東海グループの東海キヨスクも、駅の売店ベルマートキヨスクなどで17日まで記念フェア。過去に東海地方を走っていたムーンライトながら、ちくま、東海の列車ヘッドマークをパッケージにあしらった「サンドおむすび」など15商品を販売している。

 記者の注目は、数量限定の鉄道ペットボトルカバーだ。東海道新幹線の0系をはじめ、緑とオレンジのツートンカラーの旧国鉄113系といった懐かしの車両がデザインされていて、伊藤園の「お~いお茶 緑茶600ミリリットル」にオマケとして付いている。

 まずはこのカバーを目当てにJR岐阜駅へ。パッケージが見えるので113系と東海道新幹線の0系、ドクターイエロー、そして上野―大宮間を結んだ新幹線リレー号を選んで購入。リレー号は、東北・上越新幹線が埼玉県の大宮駅止まりだった時代の列車で、埼玉出身の記者にとっては郷愁を誘うグッズだが、JR東海エリアでは珍しい。

 さて、ムーンライトながらのサンドおむすびで腹ごしらえをして、次は名鉄岐阜駅に向かう。この、ながらも東西を行き来した学生時代に何度か乗り、〝大垣ダッシュ〟に挑んだ懐かしの列車だ。

 硬券入場券は、どの駅にしよう―。名鉄岐阜駅の窓口で尋ねるまで、記者は大きな勘違いをしていた。

 県内の駅では、よく利用する名鉄岐阜駅、岐阜県に来て最初に住んだまちの最寄りの岐南駅、笠松競馬場前の笠松駅、名鉄ではなく〝名電〟としているのが不思議な名電各務原駅だろうか。愛知県では、蒲郡競艇場前駅、田県神社前駅、道徳駅、上ゲ駅だろうか。

 そんな風に欲張っていたが、「それぞれ持ち場があるんです」と駅員さん。全ての駅の入場券を1カ所で購入できるわけではないという。それもそうだ。旅先で駅を利用すると、必ずその駅の入場券を購入すると決めている記者。年月日が印字されて旅の記念になるからだが、訪れてもいない駅の入場券を買うのはフェアではない。

 ここでは、名鉄岐阜駅と近隣の無人駅の入場券だけを扱っているといい、取りあえず名鉄岐阜駅と加納駅の入場券を購入。笠松駅まで電車に乗って移動し、笠松駅と岐南駅の入場券を買った。今後、加納駅は高架化で、茶所駅と統合して新駅になるようなので、途中下車して駅の外観と共に写真撮影。〝歴史〟を記録しておいた。残りの入場券は来年3月までに調達するとしよう。

 そんな形で迎えた150年の日。県内の鉄道の歴史をひもとくと、日本の鉄道開業の約11年後、83(明治16)年5月に現・JR東海道線の関ケ原駅以西が開通したことを皮切りに、鉄道網は徐々に全県に拡大。しばらくは石炭を燃やして走る蒸気機関車が主流だったが、山と川に恵まれた県内では中山間地でも、北恵那鉄道(現・北恵那交通)をはじめとして水力発電の電気で走る〝電車〟も戦前から走っていた。

 その後、東京と大阪の間に位置する地理的な優位性から、1964年に東海道新幹線が県内を横断し、岐阜羽島駅が置かれた。自動車の普及や人口減少で廃線になった路線も、計画のまま実現しなかった路線もあるが、現在は次世代の超電導磁石を使ったリニア中央新幹線が計画される、数少ない県の一つとして停車駅と車両基地の整備や、トンネル掘削が進んでいる。

 50年後の鉄道開業200年の日には、どんな世界がそこに広がっているのだろうか。

 
瀬戸覚旨(せと・さとし) 地理・地図帳の教科書出版社、新幹線の経済誌などを経て、2014年12月中途入社。西濃支社、中津川支局、生活文化部、現在は本社報道部。埼玉県出身。帰省時は、中央本線(名古屋―東京)を中津川、塩尻、高尾の3回乗り換えで帰りたい「乗り鉄」。