岐阜の山々の魅力を伝える「岐阜百秀山」

 岐阜県の大垣山岳協会常任理事の清水克宏さん(62)=大垣市=が、県内の山々の"今"を伝える本「岐阜百秀山」を完成させた。5年間で県内200超の山を訪れ、独自の基準で100を厳選。北アルプスの名峰から、道なき原生林まで、多彩な魅力が詰まっている。

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 清水さんは社会人になってから登山を始め、これまでに全国800近くの山を登頂した。しかし、地元岐阜の山はあまり登っておらず「そもそも県内の山の情報が少ないのでは」と感じたという。1975年に「ぎふ百山」(県山岳連盟編集)が刊行されてから約半世紀たっており「東海北陸自動車道や徳山ダムの建設など自然環境が変化している中、時代に即した自分なりの岐阜の百山を選定してみよう」と思い立った。

 2016~20年、主に週末に、県内の山の約半数ほどとなる215山余りを調査。山の姿や眺望、森林保全状態などをポイント化しながら「百山」に厳選した。その過程で「岐阜の山はバラエティーに富んでいると改めて実感した」という。

 「百秀山」のうち、笹ケ峰など16の山は登山道がなかった。「思い切って踏み入れば、手つかずの美しい原生林を感じられた」と振り返る。さらに、白山や伊吹山など信仰に関わる山の歴史も興味深く、各地で江戸時代の修験僧・円空の足跡にも出合った。「濃尾平野に多くの神仏像を残した円空が、美濃・飛騨の山とも深く関わりがあったことを知った」と語る。

 山ごとの特徴や情景のほか、難易度、標準タイムや登山の詳細行程の記録なども示した。清水さんは「多くの人に活用してもらい、岐阜の山の魅力を感じてもらえれば。ポイントラリーのように100を制覇するためではなく、登山の過程を楽しんでほしい」と話している。

 A5判278ページで、2420円。