2022年10月17日掲載

健診と特定保健指導の受診は必須

 従業員の健康維持・増進に取り組むことで、企業の生産性や価値の向上、イメージアップにつなげる「健康経営」に取り組む中小企業が増えてきています。岐阜新聞社では、岐阜県や岐阜労働局、岐阜県商工会議所連合会、全国健康保険協会(協会けんぽ)岐阜支部などと協力して「ぎふ健康づくり応援プロジェクト~健康経営のすすめ~」を今年も展開していきます。

 全国健康保険協会(協会けんぽ)岐阜支部の名知清仁支部長に、健康経営の意義や進め方などについて聞きました。

全国健康保険協会(協会けんぽ) 岐阜支部 支部長

名知 清仁

健康経営に取り組む意義は?

 どの企業にとっても「生産性向上」は大きな課題でしょう。情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)の活用等は生産性向上につながりますが、それ以上に大切なのは、従業員が心身ともに元気で働いてもらうことです。さらに、健康経営に取り組むことで生産性の向上以外にもイメージアップやリクルート効果が期待できます。

健康経営の進め方は?

 健康経営は、社内の健康づくりの体制を整え、課題の把握や目標設定をし、従業員の健康づくりに取り組むことを「宣言」することが第一歩となります。岐阜労働局の「新はつらつ職場づくり宣言」は約1000社、県の「清流の国ぎふ健康経営宣言」は約600社と年々増えています。その次のステップとして、協会けんぽ岐阜支部の「ぎふ健康経営認定事業所」があり、9月末時点で223社が認定されています。そして県の「清流の国ぎふ健康経営優良企業」表彰や、経済産業省の「健康経営優良法人」認定を目指すといいでしょう。

 また、協会けんぽ岐阜支部では、自社の健康課題の把握に役立ててもらうため、健診結果等のデータを事業所ごとに分析し「健康度」をお知らせするカルテを作って提供しています(提供には被保険者50人以上等の条件あり)。

健康経営に関する宣言や認定の狙いは?

 岐阜労働局、県、協会けんぽが共通して訴えたいことは「まずは健診を受けてください」ということ、そして健診結果が黄色信号だった方に対して「特定保健指導を受けてください」ということ。この2点は必須だと考えています。

 健診の受診は、病気の早期発見・早期治療に直結することは言うまでもありません。さらに健診・特定保健指導を受けていただくことは、生活習慣病の未然防止という意味でも大きな意義があります。

 特定保健指導は、健診後に「メタボリックシンドローム」のリスクのある方を対象に保健師等が行う健康サポートです。多忙などを理由に応じていただけないケースが多く、実際に指導を受けている方は該当者のうち、私が持っているデータでは1/4程度です。何かしら今の生活習慣に問題があり、改善していただくために必要なものですので、受けていない残りの3/4の方には必ず受けてもらいたいです。

 健診や特定保健指導を通して生活習慣で見直すべき点など知ってもらい、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルをうまく回すことに役立てていただきたいですね。

 そのためにも、協会けんぽでは健診結果データの提供をお願いしています。個人情報などを理由に断られるところがありますが、これは法令上、提出する義務があるものですのでご理解いただければと思います。

 

わたしたちは、ぎふ健康づくり応援プロジェクトに参画しています