新聞を作るために大切なことを学ぶ4年生=岐阜市加納大手町、岐阜大付属小学校
昨年度の入選作品を講評しながら、見出しのつけ方などを教える松尾法尋東濃総局長=瑞浪市釜戸町、釜戸中学校

 「かべ新聞コンクール2017~ぎふっ子応援プログラム~」(岐阜新聞主催、県教育委員会など後援)は参加の申し込みを今月28日まで受け付ける。既に申し込みをした学校のなかには、本社記者らの出前授業を受け、製作への準備を始めたところもある。記事をうまく書くには? 見出しはどのように? 出前授業では児童生徒が新聞をうまく仕上げるこつを過程ごとに学び、「ミニ編集会議」(団体作品を予定する場合)を開くなどして製作への意欲を高めている。6月に2校で行われた時の様子を紹介しよう。

◆読み手を意識、情報正しく

《岐阜大付属小》

 「誰のために、何を伝えるかを考えて」。岐阜大付属小学校(岐阜市加納大手町)では6、7日に4年生3学級の計約100人が授業を受けた。新聞づくりの目的や基本から始まり、5W1Hの要素を入れた記事の書き方、取材、紙面の割り付けの方法までを学んだ。

 1組は馬田泰州総務局員が解説。他県の地元紙をいくつか見せ、題字の背景絵に特徴が表れていることを示し、「求められるニュースは地域ごとに違う。読み手を意識して作ろう」と呼び掛けた。また事件事故、政治・経済など多分野を取材した記者経験をもとに「自分が完全に理解したことを書く」と正しい情報を伝えるための努力にも触れた。

 2、3組を担当した村瀬正樹編集局報道部NIE担当部長は、見出しの説明でひと文字で意味を持つ"漢字"の利点を強調。「文字数が少ない見出しで、より内容を伝えるのに漢字は便利」とし、「習った漢字をどんどん使おう」と促した。

 2時限目に班ごとに編集会議を開き、皆でテーマや内容について意見を交わした。テーマとの関わりも深くなる題字も考え、それぞれに発表。同小のシンボルツリーを紹介する「大イチョウ新聞」、運動会の熱気を伝える「もえろ!運動会」など個性的な題字が次々と黒板に記された。
 授業後、兼松佑岐君(2組)は「新聞には思いが入っていて、奥が深いことが分かった」、石原彩伽さん(同)は「付属小の自慢を詳しく書いて、すごいと思われたい」と話し、自分たちの"オンリーワン"の新聞を思い描いていた。

◆見出し工夫し言葉遊びも

《釜戸中》
 大自然の中で仲間と共にした体験や学びを新聞に-。釜戸中学校(瑞浪市釜戸町)は、1年生24人が5月下旬に国立乗鞍青少年交流の家(高山市)で実施した1泊2日の「乗鞍研修」を題材に、班ごとに製作を予定。13日の出前授業で松尾法尋東濃総局長から指導を受けた。

 冒頭、「分かりやすい」「目を引く」など作る際のキーワードを確認した後、昨年度に同コンクールで入選した先輩の2作品を掲示した。松尾局長は見出しつけや記事の割り付けを担う整理部での経験が豊富で、作品を講評しながら横書きの見出し、仕切り線など読みやすくするための視覚的な効果を解説した。

 見出しは「楽しんで」と助言。同日付の本紙でFC岐阜が敗れた試合の記事から「逸機消沈」の見出しを取り上げ、「逸機には『意気』を掛けている。チャンスを逃し、選手の『残念』な気持ちも伝えている。見出しで言葉遊びをするのも読者を引き付ける工夫」と意図を披露し、「大人をうならせる作品を」と生徒に期待した。

 各班で編集会議も行い、題字も考えた。弾むような楽しい気持ちを掛けて、「NORI NORI 乗鞍」と名付けた三嶋彩勇(あいさ)さんは「ぱっと思い付いた。(新聞づくりの)やる気が出てきた」と笑顔を浮かべた。花房利里夏(りりか)さんは「乗鞍の良いところを分かりやすく伝えたい」と話し、「ハイキングのことを書きたい」と執筆への気持ちを高めていた。