とっくりからにょきっと伸びる手足にとぼけた表情。道端や塀の上で、囲碁を打ち、風呂に入り、小鳥と戯れる。「とっくりとっくん」は、そこに暮らしているかのように、窯元が立ち並ぶ小道にたたずむ。
「次はどこに置こうか、皆で歩きながら考える時が一番楽しい」。とっくんを制作する「徳造社中」の代表加藤土岐光さん(62)は日々、アイデアを考える。胴体部分のろくろ回し、手足の接着、顔の仕上げは各窯で分業する。本業があるため、夜の作業が多い。
当初は自主的に制作していたが、飲食店やスーパーなどから注文を受け、各所にちなんだとっくんが店頭を飾るようになった。
例年、10月末の「下石どえらぁええ陶器祭り」で新作を披露するが、新型コロナのため2年連続で中止に。「思ったものを作れるから面白い」と加藤さん。来年の新顔が待ち遠しい。
◆memo
とっくりの生産量日本一の岐阜県土岐市下石町のイメージキャラクター。窯元巡りで訪れる人を楽しませようと2007年に誕生した。裏町地区の窯元でつくる「徳造社中」が制作。当初は約40体ほどだったが、現在は約200体が町中に飾られている。













