岐阜県内で本年度、個人を中心に起業する人が増えている。県信用保証協会によると、1年未満の起業者を支援する創業関係融資制度の保証承諾件数は10月末時点で189件に上り、過去最多だった2018年度の278件を超す勢い。新型コロナウイルスの感染が拡大した20年度に創業する計画だったのを1年遅らせる事例が目立つという。

 近年の業種別の支援実績は、コロナ禍に関係なく食堂・レストランや美容業が最も多いが、20年度以降は在宅介護で需要が高まった老人福祉介護事業や障害者福祉事業、ネットショップ事業、テークアウトや配達に特化した飲食サービスの創業が増えた。担当者は「新型コロナの感染拡大後、非接触の業態の事業が増え、創業のトレンドが変わってきた」と話す。

 創業の形態は法人よりも個人事業主が多く、20年度は64%、本年度は69%と増加傾向にある。

 岐阜市早田本町の「あけぼのキッチン」は、総菜と弁当の販売に特化した店として今年1月にオープンした。谷藤越子さんが個人事業として立ち上げ、洋食シェフの経験を持つ夫の英夫さんが料理を担う。以前は飲食店の経営を考えていたが、コロナ禍を踏まえてテークアウトの業態を選択したという。

 越子さんは、岐阜商工会議所と十六銀行が主催する創業スクールを受講し、事業計画や会計の基礎知識を学んだ。「客の動きが読めず、休日の設定に苦労した。営業しながらノウハウを身に付けることの方が多い」といい、「自己資金をある程度確保しておくことや、活用できそうな補助金の情報を集めておくことが重要」と話した。