JR東海は11日、金子慎社長(67)の後任に丹羽俊介副社長(57)が昇格する人事を発表した。社長交代は2018年4月以来5年ぶり。金子氏は代表権のある会長に就き、柘植康英会長(69)=岐阜県大垣市出身=は代表権のない取締役相談役となる。いずれも4月1日付。丹羽氏はJR発足後の入社で、JR旅客6社では初めて。リニア中央新幹線計画の推進や鉄道利用者数の回復が課題となる中、経営トップの若返りを図る。
氏名や役職・部署名で検索!「岐阜の経済・人事情報 ポータル」名古屋市のJR東海本社で記者会見した。社長就任を打診されたのは、昨年9月20日といい「ものの見方や捉え方が的確でバランスが取れている。性格も穏やか」と太鼓判を押す金子社長に社長室に呼ばれ、即答。「重責だが、お役に立てるなら頑張りたい」と引き受けた。
「いつかは自分たちJR入社の世代が経営を引き継ぐことになる。そう考えながら仕事をしてきた」
丹羽氏が入社したのは、国鉄民営化で1987年にJR各社が発足した後の89年。物腰柔らかく、報道陣の質問に丁寧に答える中で、強調したのが〝新しさ〟や〝変化〟だった。
国鉄からJRへ。丹羽氏は「新しい会社を作っていくという活気があった。これまでの仕組みを変えるなど、大変動きの多い時代を若い時に過ごした」と、入社当時を振り返る。
再び、新型コロナウイルス禍という困難な時代を経験し「これまでのやり方では、うまくいかない。仕事のやり方を抜本的に変えていく」と強調。その象徴として挙げたのが、昨年打ち出した同社の「鉄道の将来像」。AI(人工知能)や画像認識といった最新技術を生かし、鉄道の安全性や利便性を高める一方で、将来の労働力不足に備えていく姿を描いた。「より柔軟に、これまでとは違った発想でサービスを展開していく」必要性に気付いたという。
人事部を長く経験してきたため「会社を強くするのは、人の力」と強調。団結力のあるJRらしさを引き継ぐとした上で「柔軟に物事を考え、チャレンジし、粘り強く取り組む人材を育てたい」と意気込んだ。
コロナ禍を乗り越えていく中にあり「進取の気性、頑張っていくぞという気概が社員に満ちている。形は違うが、入社当時の活気が感じられる」と期待する。
一方で、丹羽氏はリニア計画に関し「名古屋までの早期開業に全力を尽くす」と述べた。工事は、静岡県の反対で静岡工区の着工に至っておらず、2027年を目指していた東京・品川―名古屋間の開業が見通せない状況だ。「地元の懸念を解消する取り組みを継続して進めていく」と述べ、静岡県や関連自治体、住民と対話を続けると説明した。開業時期は明言を避けた。
金子氏は、社長在任中に静岡工区の着工を果たせなかったことについて「大変、心残り」と心境を明かした。「(会長として)これまでとは違う形で会社に貢献し、新社長を支えていく」と述べた。
【新社長の横顔】
丹羽俊介氏(にわ・しゅんすけ)東京大法卒。89年JR東海入社。人事部長や広報部長、常務などを経て昨年6月から副社長。座右の銘は「自然体」。特技はトランペットで、社内の音楽クラブに所属。JRグループ音楽連盟の会長も務める。都市対抗野球大会では、JR東海硬式野球部の応援に繰り出し「銀河鉄道999」やTOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」などを演奏。「われわれの定番曲。これを演奏すると盛り上がる」とほほ笑む。名古屋市出身。







