いじめを受け不登校となった過去を乗り越え、再起のきっかけをくれたNPO法人の役員に就いた男性がいる。障害のある人や高齢者を支援しているNPO法人「みんなの手」(岐阜県多治見市金岡町)の茅野(ちの)正好さん(33)=可児市羽生ケ丘=。来年5月には同法人の代表に就く予定で、茅野さんは「支えてくれた人に恩返ししたい」と話している。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」茅野さんはこれまで、県内外の障害者福祉事業所で延べ15年間働いてきた。6月に同法人の理事となり、デイサービスで利用者の介助に携わる傍ら、代表理事の渡邉麻奈美さん(56)から法人運営に必要な事務処理を学んでいる。
笑顔を絶やさず仕事に励む茅野さんだが、中学時代には陰湿ないじめに苦しめられた。ごみを投げつけられたり、仲間外れにされたり、机にわざと牛乳をこぼされたりもした。中学3年間はほとんど登校できず「同世代と会うのは嫌だ」と定時制高校に進学した。
働きながら学ぶ他の生徒に触発され、以前から関心のあった福祉施設でボランティアを始めた。その後就職したが、資格も経験もない当時の茅野さんに任される仕事はほとんどなく、「スタッフに数えられていなかった」。無力感を味わい、間もなくやめた。
自信を持てないままの茅野さんを救ってくれたのが、高校2年生の頃にスタッフとして働き始めた同法人だった。若手の職員が少なかったこともあり、茅野さんは利用者から孫のように親しまれた。体力を生かして高齢者の買い物に同行したり、デイサービスでマージャンの相手になったりした。障害者福祉をより幅広く学ぼうと1年後に別の福祉施設に移ったが、資格取得など自身の節目のたびに、自らの原点である同法人に報告や相談をしてきた。
ステップアップのため再び転職を考えていた昨年末、同法人から役員に迎えたいと声が掛かった。渡邉さんは「過去のつらい経験が茅野さんの優しい人柄につながっている。ぜひ後を託したい」と期待。茅野さんは「みんなの手は自分をスタッフの一人として尊重してくれた。第2のわが家のような場所。同じように感じてくれる利用者のためにも頑張る」と意気込む。
茅野さんの長期的な目標は、障害者により強く生きがいを感じてもらえるようなサービスを構築することだ。「誰にとっても居心地のいいこの場所を守り、活動の幅を広げていきたい」と力を込めた。










