広がる健康経営　実践企業が増加

2023年3月31日掲載

広がる健康経営　実践企業が増加

　経済産業省の「健康経営優良法人2023」の認定法人が3月8日発表され、岐阜県内では大規模法人部門27法人、中小規模法人部門284法人が認定されました。「健康経営」とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、健康保持・増進につながるよう戦略的な取り組みを実践するもので、岐阜県内でも取り組む企業が増えています。

　アクサ生命は、健康経営アドバイザー資格を持つ社員が企業を訪問し、健康経営の意義を説明したり、具体的な取り組みなどを提案したりして、サポートしています。アクサ生命保険岐阜支社の熊田成吾支社長に、健康経営の重要性や県内の現状についてお話を聞きました。

アクサ生命保険岐阜支社 支社長　熊田 成吾氏

「企業の永続的な発展」を目指して

健康経営の認知度は70％に

　「健康経営」とは、従業員の健康づくりや働きやすい環境づくりを行うことで、企業の生産性・業績を伸ばしていく経営手法です。５年前は健康経営を知っていると答えた経営者は19％でしたが、今では約70％と年々関心が高まっています。「健康経営優良法人2023」の岐阜県内の認定企業は、中小規模法人部門が284社（前年比＋61社）で健康経営が普及期に入っていることが実感できます。

　健康経営に取り組む企業の目指すところは「企業の永続的な発展」です。企業の生産性や業績が向上し発展していくためには、従業員が健やかに、仕事にやりがいをもって生き生きと働くことができる環境が大切です。

　これまで健康づくりは自己責任といわれてきましたが、私たち日本人の亡くなる原因の約60％習慣病、つまりがん・脳卒中、心疾患、糖尿病などで、生活習慣を改めることで防げる要因が多くを占めています。人生の多くの時間を捧げる職場の生活習慣を改善すれば、より長く健康が維持されることが期待できます。

生涯現役社会の構築

　今の日本は人口減少化社会です。昨年生まれてきた赤ちゃんは約80万人、亡くなられた方はおよそ158万人でしたので、差し引き78万人の日本人が減少しました。中でも少子化の影響で働く世代15歳～64歳（生産年齢人口）が大きく減少することが分かっています。そこで、労働人口を確保する意味でも、より長く働くことのできる生涯現役社会の構築や、さらなる女性活躍の推進が望まれています。

　一方で、企業発展に目を向けると、人口減少化社会の中でも成長し続ける企業は、イノベーション、新しい商品やサービスを作り出し続ける必要があります。従業員が自ら考えて判断し、行動できる自律創造型の社員を育成することも健康経営の取り組みで重要なことです。心身共に健康な従業員を多く抱え、お客様ニーズに瞬時に応える企業が有利となることはお分かりいただけると思います。

健康づくりをサポート

　アクサ生命では、「企業の永続的な発展と従業員一人一人の幸せな人生のために」を理念に、健康経営の普及活動を行っています。岐阜支社では63人が健康経営アドバイザーの資格を取得しており、主な訪問先である商工会議所の会員企業で健康経営をサポートしています。

　各社の従業員にWEB形式の「健康習慣アンケート」に答えてもらい、会社の健康状況・課題を明確にし、解決策を経営者・従業員にフィードバックします。さらに他社の事例も参考にしながら、年間の実践計画を企業と一緒になって作り上げます。「仕事の動線上で取り組める健康づくりの情報提供」、「職域健康セミナー」など実践的なサポートも定期的に行っています。

　今後も地域社活性化の一助となるよう、事業所の皆さまの健康経営実践と県民の皆さまの健康づくりをサポートしていきます。

※「健康経営」はNPO健康経営研究会の登録商標です。

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わたしたちは、ぎふ健康づくり応援プロジェクトに参画しています