選挙ポスター掲示板を設置する関係者ら(写真と本文は関係ありません)

 4年に1度の統一地方選挙。要となる公職選挙法の内容は解釈による部分が多く、どこまでが許され、どこからが許されないのかという線引きがわかりづらい。総務省の主権者教育アドバイザーを務める朝日大の大野正博教授は「違反を疑われるような行為はなるべく避けた方が良い」と話す。身近な例を元に、大野教授に公職選挙法のポイントを聞いた。

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■誰が餅を用意したか
 「町内の祭りで、候補者が餅をまく」。この場合、誰が餅を用意したかが重要だ。主催者が用意したのであれば、候補者はゲストとして参加したと捉えられ、法で禁止されている「寄付」には当たらない。候補者自らが餅を用意した場合は違反の恐れがある。

 公職選挙法において寄付は厳しく禁止されている。金銭や物品の受け渡しだけでなく、「渡すからね」と約束をしただけでも該当する可能性がある。

 「演説会場に駆けつけた歌手が、あいさつする際に一曲披露した」。参加者にしてみればうれしい内容だが、この場合も違反になる可能性がある。歌手は歌を歌い、公演料を受け取って曲を披露するのが仕事。演説会で無料で曲を披露したとなると、歌手への公演料で候補者が参加者を買収したと捉えることもできる。歌手だけでなく、漫才やモノマネ芸人でも同じだ。選挙の場で、芸を披露することには要注意だ。

■18歳未満の選挙運動は禁止
 気づかないうちに法に触れている事例もある。「演説会場で、候補者の小学生の孫が壇上でマイクを持って応援する」。実は違反の可能性がある。選挙権年齢が満20歳以上から満18歳以上に引き下げられたことで、18歳未満の選挙運動は全て禁止となった。親族であっても、演説会場で18歳未満の子どもが応援することはできない。

 演説会場での応援以外にも、政治家や政党のアカウントの選挙運動メッセージを交流サイト(SNS)で拡散する、特定の候補者に関する選挙運動メッセージを掲示板に書き込むなどの行為も18歳未満であれば、違反の可能性がある。自分で演説の動画を見たり情報を集めたりするのは差し支えないが、それを友人に送ったり、SNSで多くの人の目につくようにしたりするのは違反の可能性があるという。

 例をいくつか挙げたが、これらは全て「違反である」「違反でない」とすぐに分けることは難しく、状況に左右されることもある。違反かどうかはその都度見定めているといい、大野教授は「気づいたら違反していたということがないよう、疑念を抱かれるような行為は避けた方が良い」と話す。

 岐阜県警捜査2課によると、前回2019年の統一地方選の投開票日以降、今年3月20日時点で、公職選挙法違反の警告は、20件20人(法定外文書の掲示13件13人、その頒布2件2人、戸別訪問5件5人)あった。