車1台しか通れないくらい狭い道に面した掲示板=16日、岐阜県内(画像の一部を加工しています)
選挙ポスターを貼る記者=16日、岐阜県内(画像の一部を加工しています)

 各市で市長選と市議選が16日告示され、統一地方選の後半戦が始まった。選挙で欠かせないのが選挙ポスター。告示後すぐに掲示板に貼ってあるのをいつも見るが、そのスピードからどうやって貼ってるのか気になっていた。岐阜県内の市議選に出馬したある候補の陣営で本紙記者がポスター貼りを体験した。

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掲示板を拭いてから貼る

 午前8時15分、選挙事務所に集合。7グループに分かれて貼って回る。1グループは2~3人で、計15人ほどだ。割り当ては11~28枚で、総数は133枚とかなりの枚数だ。裏面がシールになっていることや、掲示板の汚れをぞうきんで拭いてから貼るといった注意事項について候補者から説明を受ける。

 届け出順の番号を聞き、出陣式を行ってからポスター貼りがスタート。記者と一緒に回るのは70歳代の男性支援者で、生まれも育ちもこの市だという。全く土地勘のない記者にとっては、心強い〝相棒〟だ。記者のグループは、18枚を貼る。

狭い生活道路が多い

 男性の道案内を受けながら記者の運転で移動。男性は地図を見ながら指示してくれる。午前9時30分ごろ、一つ目の掲示板に到着すると、すでに貼ってあるポスターが3枚もある。早い。負けじと記者もぞうきんで掲示板を丁寧に拭き、ポスターを貼った。

 ポスター貼りは単調な作業になるかと思ったら、中には背伸びしてぎりぎり貼れるような高い場所にある掲示板もあった。一瞬、届かないかもとひやひやさせられた。また狭い道路に面した掲示板が多く、貼る間に停車させておく場所の確保が悩みだった。邪魔にならないよう小走りして短時間で貼るようにしていたが、そういう意味でもスピードが大事。通行人に見てもらうためには、狭く、生活道路に面していた方がいいということなのだろうか。

どこにあるのよ掲示板

 実は最も困ったのが、掲示板の場所だった。ポスターと一緒に掲示板の住所リストとそれぞれの場所の地図を渡されていた。が、詳しいはずの相棒ですら「どこか分からない」と言い出す掲示板が何カ所もある。住所をカーナビに入力しても登録されてないと、近くまで来てぐるぐる回ったり、聞き込みをしたりするしかない。対立候補のポスター貼り部隊も同様に困っていたようで、偶然出くわすと互いに声をかけて「この道まっすぐ行くとある?」などと掲示板の場所の情報交換をすることもあった。

 記者のグループがすべてのポスターを貼り終えたのは、正午少し前。選挙事務所に戻ると、先に貼り終えたグループが2組あった。掲示板の場所がもっと簡単に分かれば、30分は早く終われたと思う。

土地に詳しい人でなければ・・・

 候補者からすれば、少しでも早く有権者にアピールするためにも、選挙ポスターを素早く貼り終えたいのが人情。そのためにも人手はほしいが、自前の車を出してもらう必要もあり、ある程度親密な知り合いでなければなかなか頼みづらいだろう。記者の相棒となった人も、候補者とは前からの知り合いだった。

 土地に詳しい人でなければ、掲示板の場所を見つけるのが難しいというのも課題。記者のように土地勘が全くない人が手伝おうとすると、土地勘のある人と組まないとポスターを貼るどころか迷子になる可能性すらある。土地勘があり、協力してくれる人。そんな人をどう集めるのか。選挙で票を集める前に、支えてくれる人集めから選挙戦は始まっていると実感した。(デジタル報道部 鈴木隆宏)