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 「せっかくきれいにしたのにまた散らかして!」「片づけてって言ったでしょ!」―。子どものいる家庭でよく使われているこの言葉。口にしていないけれど、「しかるのが嫌だから無言で片づけています」という方もいるでしょう。

 そこで今回のJoinでは「子どもと一緒におうちすっきり大作戦」と題してお片づけについて特集します。「お片づけ特集って年末にはよくみるけれどなぜ今?」と思う方もいるでしょうが、夏は長期休暇や暑さ対策で家にいる時間が多い&日が長いからじっくり取り組める点がポイント。今回は片づけのコツについて、ライフオーガナイザー®の伊藤千晴さんにお話をうかがいました。

今回お話をうかがったのは・・・
伊藤 千晴さん(ライフオーガナイザー®)

岐阜市在住の2児の母。子どもが幼い頃、片づけをしてもすぐに散らかるという日々にストレスを感じていた時、ライフオーガナイズに出会い、「片づけを頑張っていないのではなく、片づけ方が生活に合っていない」と知り救われた気持ちに。この経験から2016年にライフオーガナイザー®の資格を取得。現在は子育て世帯を対象とした「コンサルティング型片づけサービス」や各種講演会などを通して、片づけに悩む家庭をサポートしている。

片づけのコツなどを配信中
https://live-yourlife.net/
 

【導入編】

お掃除片づけを分けて考えよう

暮らしの土台づくりを心がけよう

 まず皆さんに考えていただきたいのが、「片づいた空間でどんな暮らしがしたいのか」ということです。私たちライフオーガナイザー®は、片づけの準備運動(ライフオーガナイズ)と言っているのですが、まずはどんな暮らしがしたいのかを考えていただき、その上で住む方自身が使いやすく、元に戻しやすい仕組みをつくり、暮らしのストレスを軽減させるというアプローチを大切にしています。例えば、お菓子づくりが好きな方は、お菓子づくりの道具を取り出しやすい場所に置いたり、お菓子づくりに必要なスペースを確保したりです。頻繁に使いたい物を棚の一番上に置いていては、取り出す度にストレスを感じてしまいますからね。

 暮らしを見直した後、いま必要なものかどうかを見極める「整理」、物を置く場所を決める「収納」をして暮らしの土台をつくり、その上で見た目を整える「整頓」、汚れを取る「片づけ・掃除」を進めてください。暮らしの土台をつくらない状態で整頓や片づけ・掃除を頑張っても、すぐにまた部屋がごちゃごちゃしてしまうかもしれません。

 秋以降に大掃除をする環境を整えるためにも、暮らしの土台づくりにぜひ取り組んでみましょう。
 

【実践編】

よく使うものはゴールデンゾーン

 目から腰までの高さを「ゴールデンゾーン」と呼んでいるのですが、よく使うものはこの位置に収納しましょう。パパとママ、子どもでは身長が違うので、一つの棚でもそれぞれのゴールデンゾーンに合わせて収納すれば出し入れがしやすくなります。逆にあまり使わないものは押し入れの奥や棚の上の方などにしまいましょう。 目から腰までの高さを「ゴールデンゾーン」と呼んでいるのですが、よく使うものはこの位置に収納しましょう。パパとママ、子どもでは身長が違うので、一つの棚でもそれぞれのゴールデンゾーンに合わせて収納すれば出し入れがしやすくなります。逆にあまり使わないものは押し入れの奥や棚の上の方などにしまいましょう。

 

「いる」「いらない」ではなく4択で考えよう

 着ていないものをゴールデンゾーンに置かないというだけでもずいぶんすっきりします。「○年間着ていないなら捨てるべき」などの考え方もありますが、ライフオーガナイザー®は「自分の納得したタイミングまで取っておけば良い」という考え方でいます。

 子どもの工作や成長に伴い着られなくなった服、遊ばなくなったおもちゃに関しても、「もう使わないことはわかっているけれど、思い出が詰まっていて捨てにくい」と思っているのであれば、無理して捨てる必要はありません。箱にきれいに入れて、ゴールデンゾーンではないところにしまいましょう。

POINT

おすすめは「いる」「いらない」の2択ではなく、4択の考え方。洋服を例に考えてみましょう。

【?】どんな理由で着ていないのか

 旅行用?パーティー用?パーティー用なら、合わせて使うカバン、靴も一緒に箱に入れて押し入れにしまうのも手

【?】処分するか人にあげるか

 迷っているならば「迷ってる箱」にまとめて入れて押し入れにしまいましょう

置き場所をはっきりさせよう

 どう片づけたらよいのかと頭を悩ませるおもちゃ類は、まずは親子で話し合って、どこに何を置くかを決めてみては。

 お勧めなのは、ラベルを活用して置き場所を子どもでもわかりやすくすること。おもちゃの写真を撮って置き場所に貼っておくと幼い子どもでも元に戻せるようになるでしょう。文字や絵を書くのが好きな子どもなら、書かせてみても良いでしょう。

 片づけを促す際は「きちんと片づけなさい」よりも「使ったものを元に戻そうね」の方が、指示が明確で理解しやすいでしょう。片づけの促し方は、幼稚園や保育園の先生に聞いてみるのも◎。先生が実践している声掛けの方法や、片づけの際に歌っている童謡を教えてもらえるかもしれません。

「片づけられないなら捨てるよ」はNG

 「片づけられないなら捨てるよ」と言われると、幼いうちは焦って片づけてくれるかもしれませんが、ある程度の年齢になると「じゃあ捨ててもいいよ」と言うようになるかもしれません。物を大切にできない人に育ってしまうことにもなりかねないので、「捨てる」ありきで話をしないことをおすすめします。
 

写真の整理整頓ならフォトブックがおすすめ

 子どもの写真はたまっていく一方で、クラウドやスマートフォン、SDカードなどに保存しっぱなしになっている方も多いのでは。万が一、記録媒体が壊れたり、クラウドにアクセスできなくなったりしてしまったら…。そういった時に全滅させないためにも、少しはプリントアウトしておくのがベターです。

 おすすめはフォトブックです。プリントアウトしてアルバムに入れるという手もありますが重いのが難点。また、アルバムに一枚一枚入れていくのも簡単なことではなく、順番に入れているときに違う時期の写真が出てくると、それだけで心が折れそうになってしまいます。

 フォトブックなら
・絵本のように気軽に見ることができる
・アルバムほどかさばらない
・種類によってはコメントを入れることができる
・2冊作って祖父母にプレゼントできる

という利点があります。

 デメリットは
・使う写真を選ぶのが大変
・凝り始めると膨大な時間がかかる(自動レイアウト機能で納得できない場合)
・ハードカバーでページ数が増えると5000円以上かかる

など。それでも子どもが少し大きくなってから、「こんなに小さかったんだね」「赤ちゃんの頃、こんな場所に行ったんだね」などと見返す時間はとても幸せなひととき。年中、年長ぐらいになれば、一緒に写真を選んでも良いでしょう。年1冊ぐらい、頑張ってみては。