優勝旗を手にした主将の高木翔斗選手を先頭に行進する県岐阜商の選手たち=29日午後、岐阜市長良福光、長良川球場

 第103回全国高校野球選手権岐阜大会で9年ぶり29度目の優勝を果たした県岐阜商。2年ぶりに開催される甲子園出場権を懸けた戦いを一丸で制した。勝ち抜けたのは、新型コロナウイルスの影響で昨夏の県独自大会出場を辞退した昨年の3年生への思いが強かったから。甲子園出場の約束を果たした選手たちは、試合後優勝旗を持って晴れやかな表情でグラウンドを行進した。

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 昨年は春の選抜大会に加え、選手権岐阜大会が中止になった。昨年の3年生は、1試合だけの甲子園高校野球交流試合には出場したが、岐阜大会の代替大会の県独自大会には出られなかった。最後の夏の舞台に立つことすらできず、悔しい気持ちを残したまま高校野球を終えた。

 「昨年の先輩たちの思いも背負って戦う」。主将の高木翔斗選手はナインに常々こう話してきた。今大会でも試合終了後には頻繁に、前主将で青山学院大野球部1年の佐々木泰さんとLINE(ライン)で連絡を取った。尊敬する先輩からは「がんばっていけよ」「ナイスバッティング」とシンプルながらも激励のメッセージが送られてきた。優勝を決め「先輩たちにまず良い報告ができます」と笑った。

 後輩に対する先輩の思いも強い。佐々木さんは「後輩たちが戦う姿を間近で見たかった」と4回戦の大垣養老戦は球場で観戦し、エールを送った。「全力でプレーする姿は格好良かった」と勇姿に胸を打たれた。決勝戦は練習日で応援には行けなかったが、インターネットで観戦した。勝利が決まった瞬間は「自分のことのようにうれしかった」と、思わず叫んだという。「自分たちの悔しかった思いを晴らしてくれた」と、まず岐阜大会を制した後輩たちに感謝した。「3年生は最後。甲子園では、楽しんで優勝を目指してほしい」

 甲子園出場を決めた選手たちはこれで満足はしていない。高木選手は「まだスタートラインに立ったばかり」と気を引き締める。「先輩たちの分まで夏の甲子園で暴れたい」。固い絆で甲子園の戦いに挑む。

◆岐商旋風起こして

 古田肇知事 9年ぶり29回目の夏の甲子園出場、おめでとう。厚みのある投手陣を中心に安定感を誇る守備と、「集中打」を得意とする打線で好機を確実にものにする戦いぶりは見事でした。甲子園でも「岐商旋風」を巻き起こし、戦後初の全国制覇を成し遂げることを県民の皆さんと共に祈っています。

◆子どもたちに夢を

 堀貴雄県教育長 甲子園出場を心からお祝い申し上げます。新型コロナウイルス感染症という逆境の中、仲間と共に日々努力を重ねた成果を大舞台で存分に発揮し、岐阜県の子どもたちに夢と感動を届けられることを期待しています。