電気ストーブで超高温に熱せられたサウナ室
水都の井戸水をたっぷり使った水風呂
サウナ飯「豚ロース生姜焼きセット」を勧める岡田昌子社長=いずれも大垣市三塚町、大垣サウナ

 全国のサウナ通から「聖地」として親しまれているホットスポットが、岐阜県大垣市にあるのをご存じだろうか。サウナ専門店「大垣サウナ」(同市三塚町)は先月、開店55周年を迎えた。「昭和ストロング」とも呼ばれる伝統的な超高温サウナと、水都の天然水でキンキンに冷えた水風呂は半世紀を超えても変わらず、コロナ下でも支持は熱い。連日の猛暑でバテ気味の記者もサウナパンツに着替えて人気に触れてみた。

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 「まずは入ってみて」。1966年創業で昭和の風情を残す男子専科の店舗で、岡田昌子社長(78)から愛想良く勧められた。熱いのは必ずしも得意でないが、店名が書かれたオレンジ色のタオルを手にサウナ室の扉を開く。

◆室内110度超、汗噴き出る

 電気ストーブでガンガンに熱せられた室内は気温110度超。一般のサウナは80度から100度程度というから熱量は看板通りだ。乾いた空間で熱風を鼻から吸い込むと、気道が徐々に温まる。日頃の暴飲暴食で緩んだ顔の皮膚もしびれてきた。ほかの客は室内のテレビを眺めながら黙々と熱波に身を置いていた。

 時間がたつのはこんなに遅かっただろうか。顔面に噴き出る汗は沸騰水のようになり、拭こうとするタオルも熱い。忍耐の5分超...「もう限界」と水風呂へザブン。砂漠からオアシスに来たみたいだ。体中の細胞が「ひゃー」と喜びの声を上げる。水温は14度程度で一気に冷やされた。水シャワーもまろやかに肌を刺激し、心地よい。

◆良質な水の水風呂「ととのう」

 "掛け流し"の天然水に、岡田社長は「水質には絶対の自信がある」と胸を張る。毎日、大量の地下水をくみ上げる水中ポンプは40年以上前に店舗を建て替えて以来、一度も替えたことがないそうだ。「水がいいからポンプが長持ちする」(岡田社長)。

 JR大垣駅から離れた住宅地にある同店。近年はサウナを愛する「サウナー」の中でも"レジェンド"として人気を集めるファンからインターネットなどを通して紹介され、"全国区"になった。

◆男をとりこにする「サウナ飯」

 "聖地"を語るにはサウナ飯も不可欠だ。サウナーらをとりこにしてきた「豚ロース生姜焼きセット」(1400円)は、トンテキ並みの分厚い肉が自慢。おかわりし放題のご飯とともに男たちのスタミナを補給する。

 店内ではロッカーの一つ一つにタオルがきちんと置かれ、掃除も行き届く。「古里の家に来たみたいに気分良く入ってもらいたい」と岡田社長。創業者で10年前に亡くなった夫の正国さんの几帳面(きちょうめん)さ、誠実さを今も忘れず実践している。常連の市内の経営者(80)も岡田社長と笑いながら「話し相手になってもらえる」と喜ぶ。ぬくもりのこもったおもてなしも心に響くのだろう。

 同店では55周年感謝祭として入泉料1700円を支払った客らを対象に抽選会を29日まで開催。問い合わせは同店、電話0584(78)4000。