安藤友香

 東京五輪の陸上女子1万メートルに7日出場した海津市出身の安藤友香(ワコール、日新中出)は、29人中22位に沈んだ。順位は振るわなかったが、主戦場としているマラソンで一度切符を逃し、トラック種目で夢をかなえた初の五輪。喜びをかみしめながら駆け「この舞台に立てたことが貴重。素晴らしい選手と走れたのは大きな経験になった」と感慨に浸った。

 小学1年の時、シドニー五輪女子マラソンで高橋尚子さんの金メダルをテレビで見て、五輪に憧れた。豊川高校(愛知)を卒業し実業団に所属すると、夢は目標に。だが、その道のりは平たんではなかった。

 初マラソンの2017年名古屋ウィメンズは、当時日本歴代4位のタイムで2位。一気に脚光を浴びたが、その後は苦戦した。20年3月、マラソン東京五輪代表の最後の1枠を争う名古屋ウィメンズは同僚の一山麻緒(ワコール)に敗れ2位。五輪への道はついえたと思われた。

 だが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い五輪が1年延期に。当時、トラックの日本代表は決まっていなかった。「狙えると思うよ」。ワコールの永山忠幸監督からのアドバイスで気持ちが奮い立った。「せっかくの自国開催。後悔だけはしたくなかった」

 もともとトラックには苦手意識を持っていたが、一山、福士加代子(ワコール)らと共に「鬼メニュー」と呼ぶ永山監督の厳しいトレーニングで心身共に自らを追い込んだ。「(練習を)クリアしていくことで自信になった」。今年5月の日本選手権。1万メートルで2位に入り、悲願の五輪切符をつかみ取った。

 目標としていたマラソンではなかったが、日の丸を背負って力強くトラックを駆け抜けた。安藤は「ただただふがいない走りをしてしまった」と振り返りながらも、表情に涙はない。「この経験を無駄にしたくない。またマラソンにも挑戦したいので、そこに生かせるようにしたい」と新たなスタートを誓った。