2018年6月の御料鵜飼で捕れた鮎を選別する関係者=岐阜市長良

 岐阜市と関市の長良川で鵜飼漁をし、捕れた鮎を皇室に納める御料鵜飼の中止が相次いでいる。御料鵜飼に立ち会い、指揮監督する宮内庁の職員が、東京都で新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令されている期間は、岐阜県への出張を自粛しているのが中止の大半の理由だ。6月から8月末までに予定した12回のうち、すでに9回の中止が決まり、9月の残り4回の実施も新規感染者が東京に加えて、県内でも拡大する現状から、予断を許さない状況となっている。

 御料鵜飼は宮内庁が事業主体。皇室の保護の下、明治時代から続く漁で、捕れた鮎を皇室に納めるために両市で年8回ずつ行われる。今年は6~9月に各月4回ずつを予定していた。宮内庁は、天皇陛下の祖母、香淳皇后の崩御に伴って、その年の残る御料鵜飼を中止した2000年を除けば、平成以降でこれだけ多く中止になったことはない、との見解を示している。

 国家公務員の「宮内庁式部職鵜匠」である両市の鵜匠9人にとって、御料鵜飼は最大の職務。長良川鵜飼の杉山雅彦鵜匠代表(61)は「シーズン中、御料鵜飼には一番力を入れている」と明かし、「できる限り実施したかったが仕方がない。9月は何とかやりたい」と、本来の職務ができないもどかしさを語った。

 宮内庁によると、御料鵜飼は例年2~5回程度中止となり、理由は長良川の増水が多い。県内の鵜飼は今年、県に適用されていたまん延防止等重点措置と県独自の非常事態宣言に合わせる形で、5月11日の開幕を延期し、関市の小瀬鵜飼は同15日、岐阜市の長良川鵜飼は6月21日に開幕した。