県警の女性警察官で初めて留置管理課長となった長屋里美課長。「男女ともに活躍し、県民のためになる仕事がしたい」と語る=岐阜北署

 警察署の留置場で、施設管理のトップを務める女性がいる。岐阜北署留置管理課の長屋里美課長(56)だ。昨年3月、県警の女性警部として初めて同課長になった。男性の収容者が多い留置管理業務は女性には難しいとされてきたが、長屋課長は「経験を生かせる部分は、意外とある。男性にしかできない部署ではなかった」。収容者と向き合いながら、新たな可能性を切り開いている。

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 留置管理課は、収容した容疑者らを24時間体制で処遇するほか、面会の調整や護送などの仕事を担う。

 1983年に拝命。交通巡視員から巡査となり、2人の子どもを育てながら47歳で警部補に昇任した。課長になる前は、県警広報県民課で犯罪被害者を支援。「(被害者と)真逆の立場の相手(収容者)と向き合っているが、精神的なケアが必要になる点で経験を生かせると感じている」と手応えを語る。

 収容されるのは個々に逮捕された理由を持ちつつ、刑などは確定していない人たちだ。「留置場を、この先どう生きるか見つめ直すための空間にしてもらいたい。そのためにも、緊張を和らげ、人として対等であろうと心掛けている」と、相手の不安と向き合ってきた経験を強みにする。

 県警には今年4月現在、女性では警視1人、警部6人がいる。女性警察官のうち約2%にとどまるが、今後、女性の就くポストが増えることは警察組織のイメージを変える可能性を秘める。長屋課長は「意見を言えるだけの働きをして、後進のために道を築きたい」の思いを語り、「県警もかつては男社会で昇任自体が珍しかったが、今は違う。社会が多様化する中、あらゆる事案に対応するためにも女性の力は不可欠」と言い切る。

 岐阜北署には県内で唯一、女性専用の留置場があり、収容する女性への処遇など女性署員のみで担う仕事もある。署ではプロジェクトチームを立ち上げ、男女ともに活躍できる職場づくりを考える検討会を定期的に開いている。長屋課長はそのリーダーを務め、話し合いには男性署員も関わる。「性差にとらわれない活躍には、組織や家庭の協力が不可欠。共に考え続けたい」と語る。