新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行して1年。日常生活ではコロナの影響は薄くなりました。ですが、コロナ前と比べて大きく変わったこともあります。オンラインの活用です。ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」などオンラインツールを日常的に使うケースは増えました。コロナの置き土産とも言えるオンライン。積極的に活用している取り組みがあります。世界各地の岐阜県人が県内の高校生らを対象にオンラインセミナーを開いています。現場を取材しました。
◇世界各地の岐阜県人が登場
5月中旬、岐阜市長良西後町の長良高校。3年生約350人が6会場に分かれ、プロジェクターで映し出された画面に向き合っています。それぞれの画面に映るのは世界5カ国6地域に住む岐阜県出身の6人です。ビデオ会議システムでつながっています。
岐阜県人会インターナショナル(GKI)の取り組み「岐阜の若者と世界をつなげよう(ギフセカ)」です。GKIは世界18カ国27岐阜県人会が加盟。2021年5月に設立し、22年10月に初めての「岐阜県人世界大会」を岐阜市で開きました。
この取り組みは21年11月から始まりました。県内の小中学校や高校、大学などで計16回開催しました。長良高校では3回目です。世界各地の岐阜県人が海外に飛び出した自身の体験と、外から見た日本、古里の良さを語ります。
◇「10年後はどんな自分でありたいですか?」
講師陣は多彩で豪華です。カンボジアで貧困層を対象にした医療システムを運営している西えり子さん(高山市出身)、ブラジルで活動するサッカージャーナリスト大野美夏さん(揖斐川町出身)、ドイツ・ベルリンでアーティストとして活動する中村優さん(岐阜市出身)らが今回登場しました。
コルビン大塚麻衣さん(岐阜市出身)は講演で、自身の体験を振り返りました。高校2年の夏に単身渡米。医師免許を取得し、結婚を経て、3人の子どもを育てながら医師として活躍しています。
チャレンジを重ねてきた大塚さん。米国の面接では「Where do you see yourself in 10 years?(10年後はどんな自分でありたいですか?)」と良くきかれることから、...