戊辰戦争で活躍し、明治新政府の幹部となった板垣退助。その手で切り開いた新時代は結局、薩長出身の一部の有力者による専制政治だった。やがて、そんな政府に対して、刀ではなく「言葉」を武器にした新たな戦いに挑んでいく。

 板垣退助(国立国会図書館ウェブサイトより)

 「国民は政治に参加する権利がある。国会を開いて民意を反映した政治を行うべき」。1874(明治7)年に有志らによって明治政府に提出された「民撰議院設立建白書」には、前年に政府を去った板垣も名前を連ねる。その後、故郷の高知で...