夏休みが終わり、学校に子どもたちの元気な声が戻ってきましたが、まだまだ水遊びが恋しくなる暑さは続きます。そういえば、かつては9月にも水泳の授業があったような。調べてみると、現在は多くの学校が夏休み前にプールの授業を終えていることが分かりました。梅雨の不安定な天候をうかがいながら、水温の上がりきっていない屋外プールに入るよりも、残暑厳しい9月に入った方がよいのでは-との疑問の裏に、学校のプール運営が抱えるさまざまな事情が見えてきました。

 学習指導要領では、水泳は小学1年から中学2年までの必修となっています。実情に応じて安全指導のみでもよいとされていますが、ほとんどの学校で実技指導が行われています。

◆水難事故から身を守る力は重要、でも

 「清流の国」をうたう岐阜県は川遊びスポットも多く、岐阜市の水川和彦教育長は2023年の市議会答弁で、「長良川はふるさとを流れる親しみのある河川。ただ、向き合い方を誤ると、命にかかわる事故につながる。子どもたちが水難事故から身を守る力をつけることは極めて重要」との考えを示しています。

 しかし、9月の実施となるとごくわずか。主な市の教育委員会に確認したところ、岐阜市は「各学校の判断のため完全に把握してはいないが、小学校で9月に実施するという話は聞いていない」とのこと。大垣、関市は「ゼロ」。一方、高山市では3割程度の小学校で実施を予定していました。

 担当者は「高山市では多くの学校が夏休みのプール開放を行っている。9月に授業をしない場合はお盆の学校閉庁日で水質管理を終えるが、児童数が多く、9月も授業を行う学校は業者を入れるなどして水質管理を継続している」と話しました。

◆暑すぎてプールを開放できない

 そう、鍵は夏休み。保護者世代には「夏休みといえば学校のプール」という人も多いでしょう。ところが現在、夏休み中にプールを開放する小学校は非常に少なく、本年度、岐阜市では全46校中、長良小、網代小の2校のみでした。ではなぜ、夏休みのプール開放が行われなくなったのでしょうか。

たった1日となってしまった夏休みのプール開放を元気いっぱいに楽しむ子どもたち=岐阜市長良、長良小学校
記事の後半では夏休みのプール開放日が減った理由やプールの費用を紹介しています。

...