少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜県内の高校はどう対応していこうとしているのでしょうか。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。学習方針や進路対策、キャリア教育について考えを聞きました。第2回は岐阜工業高校(笠松町)の堀秀樹校長(60)。来年100周年の伝統校には今、求人が殺到しています。進学にも力を入れていくといいます。

岐阜工業高校正門=いずれも笠松町常盤町
 岐阜工業高校 1926年創立、県立の工業高校。9工学科(航空機械、電子機械、電気、電子、土木、建築、デザイン、化学技術、設備システム)がある。男女比は8:2。

 ―岐阜工業高校の特徴は。

 一言で言えば多彩な分野で日本一を目指している。多彩な分野の三つの柱が、資格取得、ものづくり、部活動の三つだ。

 本校はちょうど来年100周年になる。工業の伝統校だ。校内にある岐工記念館は旧岐阜県工業試験場。昭和21年に昭和天皇がご宿泊された。国の登録有形文化財、近代化産業遺産に指定されている。校内にはアカデミックな雰囲気が漂っている。

 また本校の特徴は9学科もあること。卒業生は約4万人。資格取得、ものづくり、部活動の3本柱で日本一を目指す取り組みをしている。

堀秀樹校長

 ―3本柱について詳しく。

 まず1本目の柱、資格取得。資格は就職に生かせる。将来の財産になる。生徒の挑戦を常に学校が支援している。放課後や土日に補習を行い、同窓会の支援も受けながら受験料の助成をしている。第三種電気主任技術者、応用情報技術者など難関資格に合格する生徒もいる。

 全国工業高校校長会によるジュニアマイスター顕彰という制度があり、取得した資格や検定の難易度に応じた得点を基に工業系の高校生を表彰している。令和5年度、本校から日本一の生徒が出た。ジュニアマイスター認定者も55人で、質、量ともに日本一となった。頑張っている生徒がたくさんいる。

 二つ目はものづくり。ものづくりは工業の根幹で力を入れている。日頃の授業や実習で専門的なレベルの高い学習をするのはもちろん、授業よりもさらに高度なスキルを学びたい生徒には工業系の部活、サークルが各学科にある。電子機械研究部や岐阜工テクノLABというもので、ものづくりを極めたい生徒たちは専門性の高い部活動に所属している。

岐阜工業高校の校内にある飛行機

 高校生が出場できる本年度の若年者ものづくり競技大会で県内からは13人が入賞したが、うち4人が本校の生徒。この大会は20歳以下でものづくりの技術を競う大会だが、4年連続で高校日本一になった。

 部活動にも力を入れている。運動部、文化系ともに活動を推進。部活動を通して仲間と支え合い、頑張る経験は社会人になっても必ず役に立つ。世界レベルの選手もいる。

 ―就職や進学の状況は。

 本校への求人倍率は上がってきている。今年の3年生(全日制)への求人倍率は21・6倍を見込む。県内一のレベルだと思う。求人企業も日本を代表する有名企業が多い...