「日々成長。もっとうまくなりたい」と意気込むFC岐阜の田中=岐阜市内

 J3が12日に開幕する。4季ぶりのJ2復帰を目指すFC岐阜に田中順也が新加入した。J1柏、神戸などでタイトルを獲得した元日本代表FWは「けがをしないこと、多くの試合に出て多くのゴールを取ること、チームの雰囲気を変えること」を目標に掲げ「岐阜の礎をつくりたい」と持てる力の全てを注ぐ。

 順大時代の2009年に柏でデビュー。柏が降格して翌年はJ2に移ったが、14年6月から約1年半のスポルティング(ポルトガル)を除き、J1で戦ってきた。J3でのプレーになるが「一番楽しそうだった。下からはい上がるモチベーションと、(柏木)陽介はじめ、ビジョンに賛同したメンバーと同じ目標を持って戦えるのはやりがいがある」と魅力を感じて決断した。

 柏ではJ1、天皇杯、ヤマザキナビスコ・カップと国内三大タイトルを全て獲得した。神戸でも天皇杯を制してクラブ初のタイトルを手にした。「チームに何かを残したい。次は岐阜でJ3からすごい勢いで(J1に)上がったと言われるようにしたい」

 7月で35歳。今回の挑戦には「経験してきたことを次の世代、岐阜を背負うメンバーに伝えたい」との思いもある。「少しでもネガティブな感情があると、チームはまとまらなくなる。会話の中からポジティブな考え方に変えていきたい」。強調するのは日々の振る舞いの大事さだ。

 岐阜は2年連続でJ2復帰を逃し、大型補強を図って巻き返す。実績ある選手を中心に13人を迎え、戦力はJ3屈指。「調子の良いときはコンビネーションがうまくいくのに、疲れがたまって試合運びが悪くなるのはどこも抱える課題。どれだけ体が疲れても、頭だけは止めるなと言われてきた。チームに浸透させて、ギリギリのところで相手を上回りたい」

 J1で228試合に出場して51得点を挙げた。左足の強烈なシュートが代名詞だが、前線からの献身的な守備も持ち味だ。「2トップの守備が安定しないと、後ろの守備がはまらない。今のサッカーでは大前提。まずはハードワーク」。期待される得点については「昔はどこからでもシュートを打っていたが、冷静に味方も使って崩し切って取りたい」と意欲を見せる。

 「若い選手に優勝の景色を見せたい」と意気込むが、実現すれば、自身にも新たな勲章が加わる。柏でDF橋本、GK桐畑と共にJ1、J2優勝を果たしており、全てのカテゴリーを制したことになるからだ。「意識していて3人で話した」と口元を緩め、チームを力強くけん引する。