報道陣の取材に応じるフジ・メディア・ホールディングスの金光修社長=30日午後、東京都港区

 元タレント中居正広氏の性暴力に端を発するフジテレビの問題で、親会社のフジ・メディア・ホールディングス(HD)は30日、フジHDの金光修社長と、社外取締役の島谷能成、斎藤清人、茂木友三郎の3氏が6月に開催予定の株主総会をもって退任する人事を発表した。

 2025年3月期連結決算の純損益が201億円の赤字(前期は370億円の黒字)に転落する見通しも公表した。1月30日時点では98億円の黒字を見込んでいたが、固定資産の減損損失の計上が響いた。

 フジHDは3月に経営陣の新体制案を発表していたが、株主の米投資ファンドのダルトン・インベストメンツなどから金光氏らが「新経営陣として残る意図が理解できない」として、交代を求められていた。

 フジの清水賢治社長とフジHDの金光社長は30日、組織の再生・改革に向けた具体策を総務省に報告。「楽しくなければテレビじゃない」というモットーを過度に重視してきた風土から脱却し、編成局、バラエティ制作局など制作部門の組織を解体・再編してアナウンス室は独立させるといった内容を盛り込んだ。