能登半島地震の被害や被災前の暮らし、風景を記録した写真や映像を収集・保管する拠点「スズレコードセンター」が1日、石川県珠洲市に開設された。昨年元日の地震発生から1年4カ月が経過し、被災地は建物の解体が進んで街並みが変わりつつある。能登の文化や風習、災害の教訓を後世に伝え、まちづくりや防災教育に活用してもらう。
珠洲市で開催された奥能登国際芸術祭のスタッフらでつくる一般社団法人「サポートスズ」が運営する。市内の作業場だった建物を改修し、住民や自治体などから写真や映像、文書を集めてデジタルデータとして保存する。
一部は展示し、住民交流イベントも開く。スタッフの西海一紗さん(29)は「かつてのまちの様子を思い出してもらうことで、引き継ぎたいところや変えたいところを考えるきっかけになる」と話す。
1日はオープニングイベントが開かれ、市から提供された約2千点の写真の一部を展示。内装工事を進め、22日に本格オープンする。
地震の教訓継承に向けては、他にも被災実態を残す取り組みが進んでいる。