京都地裁、簡裁=京都市中京区

 大麻を所持していたとして大麻取締法違反罪に問われた男性被告(40)の判決で、京都地裁は1日、無罪を言い渡した。大麻が見つかった部屋を共に使用していた別の人物のみが所持していた可能性を排除できず、合理的な疑いが残るとした。求刑は懲役1年だった。

 判決によると、2024年8月29日、別の人物と使用していた部屋のキッチンで、ポリ袋に入った大麻草約1・2グラムが見つかった。検察側は、ポリ袋に付着していたDNAが男性と矛盾しないことなどを挙げたが、棚村治邦裁判官は判決理由で「たまたま被告の手が触れたとしても不思議ではない」と指摘した。

 また、スマートフォンに大麻とみられる画像や、大麻の隠語を使ったメッセージがあったとの検察側の証拠は認めた一方で「大麻を日常的に吸っていたことがうかがわれるが、(部屋の大麻に関し)被告の所持と結びつけることには飛躍がある」とした。

 京都地検の石井壮治次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントした。