【ニューデリー共同】インド政府は4月30日、次の国勢調査で伝統的な身分制度カーストの所属を尋ねることを決めた。就職などの際に低カーストの人を優遇する積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)に活用する狙いがある。地元メディアが伝えた。
インドの人口がカースト別に調査されたのは英植民地時代の1931年が最後。カーストによる差別は憲法で禁じられているが、今も社会に根強く残っている。繊細な問題のため、反発を招く可能性もある。
国勢調査の実施時期は未定。2021年に予定されていたが、新型コロナウイルス禍のため延期されたままになっている。
カーストの身分はバラモン(僧侶)、バイシャ(平民)など四つに大きく分類され、その下に「不可触民」と呼ばれる最下層のダリットがいる。